ムットン調査団131(21小さなプライド)

中学時代のささいな出来事です。

各位

団長より、犯人確保の道のりは遠いので、その間、いろいろな体験談を書くように命令を受けましたので我こそはと思う方は団長か私までお問合せくさい。ただし、団長に問い合わせた場合は10分につき500円取るとの事ですのでご了承ください。・・団長えぐいです。

当面、私の体験談が続くかもしれません。

私の中学時代の話はたくさんあるので、いくらでも書けます。

当時、私の中学校は1学年6クラスで260名いました。中学3年になると受験モードで雰囲気は一変します。

朝は朝学といって始業前に小テストが毎日あり、遅刻すると廊下で正座でテストです、私はほとんど朝、廊下で小テストをしていた記憶しかありません。正規の授業ではないので本来の遅刻にはなりません。

クラスはA組からF組までですが、英語と数学の授業になるとA、B、Cのクラスではなく成績別クラス1組、2組、3組に移動します。

D、E、Fのクラスの生徒は英語と数学の授業は成績順に4組、5組、6組に移動します。

クラス分は小テストや中間、期末、模擬試験などを総合して1~2か月に一回行われていたと記憶しています。

私ですか?、本来のクラスはC組ですが英数クラスは1年間ずっと1組をキープしましたよん。へへん

さて本題に入ります。、三年A組、B組、C組の成績優秀者が英数クラス1組に行けるわけです。この1組の中にA組から(仮称)深見が選ばれていました。お互いに1年、2年で別のクラスだったので話したことは一度もありませんでした。まあ顔を知っているという程度です。

この1組にいたA組の深見ですが、成績は学年ベスト10あたり、スポーツが出来て確かバスケ部に入っていたと思う、二枚目で少し不良です。私としては、何となく面白くない奴でした。お互いに、ずっと1組にいたので中3の英語と数学の時間は一年間、深見と一緒でした。

1組ではいつも入口付近が彼の指定席で、私がちゃんと最後まで扉を締め切らない時など「おい、ちゃんと閉めろ」と大きな声でどなります。こちらは無言でかなり強く扉を締めますが、あの言い方にむかつきながら、強く閉める自分に少しドキドキしました、あいつがさらに言いがかりをつけるんじゃないかと。

だったら普通に閉めればいいのに、少し反抗するのが私なんですね。

この微妙な言葉を交わさずにやる、やり取り。奴が閉めろと命令し、私が強く扉を閉める。

この、ささいな関係は当事者の二人にしかわからないでしょうね。

深見の成績が学年トップクラスでスポーツも出来て、少し不良で女子にも人気でも構わないんです、あの私に対する「おい、ちゃんと閉めろ」という言い方です、上から目線の命令調です。

あの言い方が優しかたら私だって深見は良い奴だと思ったかもしれません。

あれは、見下した奴に言う話し方だと思うんです。

私としても気に食わない深見に対して「すいません」なんて言いたくないから、わざと強くドアを閉めて、無言の抵抗をしていました。

深見も私のことを気に食わない奴だと思っていたでしょう。

まあ、そんな関係の二人ですが、と言っても、話したこともない二人です。

で、ある時廊下のかなり先に奴が見えたんですよ、私は廊下の左側を歩いており、このまま真っすぐ歩くとぶつかるとすぐわかりました。

ここで、道をよけたら負けですよね。やばい、やばいと思ってるんですが、どんどん近づいてきます。

よけるか、それとも直進か?  心臓は飛び出るほどドキドキしてました。

奴も、よける気配なし、わたしも腹をくくり直進です。

そうです衝突です、体の半分づつくらいがまともに正面衝突です。歩いてるだけですが、二人ともすごい勢いで吹っ飛びました。

わたしは、すごい衝撃にびっくりしましたがそのまま、振り返らずに前に歩きつづけました、奴から声もかからず、ほっとしながらも、ドキドキは止まりませんでした。

私の中の小さなプライドが、道を譲るわけにはいかないと判断したのでしょう。

彼とは、結局ひと言も話すことなく卒業しました、卒業後も一度も会ったことが、ありませんが、私はいまだに、その情景はハッキリ覚えています。

たぶん彼は覚えていないでしょう。