ムットン調査団273、和牛商法

各位

今回は私の周りで起きた詐欺商法シリーズの続きです・。

この話は私の知り合いが業者に接触するまえに危険を回避して事なきを得た話です。

私の親戚が新聞のチラシを見ていたら、和牛の子牛に対しての出資を募集しているので、やってみようかと考えているがどう思うかと聞かれました。

子牛に出資すれば、成牛になって売る時に高値で売れるので差額が配当としてもらえる。

よほどの事が無い限り損をすることはなく、一般的にはかなり儲かるとの事でした。

最低どのくらいの金額を出資しなければならないとか、配当は予想で何パーセントくらいだったかは覚えていません。

さらに、この出資をすると配当の他に、牧場で育てている和牛の肉も年に一回だか2回家に届くような話でした。

親戚はこの和牛肉がもらえるのが、すごく気に入っていて、「この出資はとても良い、配当金だけじゃなく、高級な牛肉まで貰えるんだ」と嬉しそうに話をしていました。

私は基本的には賛成だがちょっと待って欲しいと言いました。

話が出来すぎているんです、うまい話には罠があると言いますから、私の中では少しだけ警報音が頭の中で聞こえていました。

翌日から早速、この和牛に対する出資について調べました。

この時はまだ大問題になっていませんが、この商法が怪しいという話がちらほら出回っていました。

私は早速、この話には乗らないほうが良い、危険だと伝えました。

親戚は少し不満そうでしたが、私が危険だと言ったので、この出資はやめることにしたんです。これが大正解でした。

この後、この商法は和牛商法と呼ばれ日本中で多くの被害を出すことになったのです。

私が止めた和牛商法はどの会社だったか覚えていませんが、最盛期17社あった和牛預託商法のは次々に破綻して1997年ごろまでに一旦収まりました。

私がやめさせたのはこの時の和牛商法です。

この和牛商法はいずれ破綻するしくみなのに次々と出資者をつのり全国的な問題になったんです。

ところが、一旦収まったはずなのに2001年にふるさと牧場として、また和牛商法が復活したんです。低金利が続く中で2年で7・8%の予定利回りを謳って資金を集めました。当然、この商法は行き詰まりますから2007年に破綻し2008年に社長が逮捕されました。出資金が返済されなかった被害者は8000人、被害総額は226億円です。

私は、何でと思いましたよ。だってすでに和牛商法は詐欺だと全国的に広く知れ渡っていたのに、なぜこんなに多くの人が出資したんだと、びっくりしたんです。

ところが、なんと、この時まだ安愚楽牧場では和牛商法を行っていたんです。

当時、安愚楽牧場はテレビCMなども流していたので、ここは詐欺まがいのような事はやっていないと思ったんでしょう。

実際、安愚楽牧場では多数の牛を飼育していました。そのため、実態があるかのように見えていたのでしょうが、やっていたのは同じ商法でした。

2011年8月に破綻し、被害者数はなんと7万人を超え、被害総額も4027億円という巨額なものでした。

この事件を受けて規制は強化されましたが、いたちごっこだと思います。

最初に和牛商法が詐欺だと摘発されて大騒ぎになってから20年の歳月が流れても、同じような手口でみんな騙されてしまいます。

なぜ、このような事件が後をたたずに起こるのでしょうか。

騙す側は、人の心理を研究して、うまいところをついてくるんでしょうね。

先程、書いたように2年間で予定利回り7.8%を謳っています、絶妙は利回りですね。

これが利回り50%だとか30%だと言われると何か怪しいんじゃないかと思い手をださない人もたくさんいたと思います。今のご時世、そこまでの利回りを言われたら警戒しますよね。これが7%くらいになってくると、この金利ならありえると思いますよ。

実際、株などでも6%くらいの高配当をだす企業はありますからね。

テレビのCMでも、よくみる会社が、そこそこ美味しい儲け話を持ってきたら、このくらいの人数は引っかかってしまうんでしょう。

豊田商事の事件をはじめ大きな詐欺まがいの商法は一定間隔で必ず世間を騒がせています、その都度、法の網をうまくかいくぐり多くの人を騙します。大きな事件が起きると国会でも議題に上がり法の規制が強化されますが、すぐに新手の詐欺が出てきます。

今、この時も大きな詐欺は深く進行しており数年後に世間を騒がすことになるんでしょう。

古代から現代そして未来へと詐欺はなくなることはきっとないでしょう。

騙し騙されの世界は詐欺でも、男女関係でも、人間であるいじょう永久になくならないんでしょう。これも人間の性ですね