ムットン調査団240、職場に押しかけて来たセールスマン

各位

昨年の年末から今年にかけて、投資話やパソコンがウイルスに感染したとか様々な手口でネットを介して詐欺が行われています。みんないとも簡単に騙されています。その結果数百万から億の金を失う人が続出しています。80代や70代の高齢者だけじゃないんですよ20代から60代までまんべんなくやられています。

オレオレ詐欺をはじめとする詐欺は電話がかかってきてから始まり、実際に金を取りに言ったりするリスクがありますが、ネットの詐欺の場合、少ないリスクで大金が手に入ります。

詐欺にあった80代の女性がネットバンキングを使って億の振り込みをしているんです。これからの詐欺はネットが主流になっていくんですかねえ。

そして、それらの詐欺に加えて多種多様な詐欺的商法がまん延しています。

私のまわりで過去に起こった詐欺の話もたくさんあるので、今後ちょこちょこと書いていきます

今回は昔、役所にやってきた怪しい営業マンの話です。

私が20代で教育委員会にいた時のことです。

この時の内容や光景は今でもよく覚えています。それだけ印象的な出来事だったんだと思います。

当時、私の係長は株の取引きをしていることは知っていました、もちろん取引は時間外にしかしません。

そんな係長に先物取引の勧誘の電話が仕事中にあったんです。

係長は先物取引に少し興味があったので、「じゃあパンフレットなどを家に送ってください」と言ってました。まあ、普通によくある電話でした。

この頃、役所にはワンルームマンション、先物取引などいろんな勧誘の電話がよくかかってくる時代でしたから。

ところが、その電話の相手はそれから一時間もしないうちに、突然、役所の窓口に来たんです。

これには私もびっくりしました。アポなしで「先程、電話で話をしていたものです」と言ってきたんですから。

まあ見た目はスーツを着た真面目な営業マンといった感じでした。

係長は「今仕事の時間中だから帰ってくれ」と言ったら、相手は「終わるまで待っています」と言いました。係長は5時までは、まだだいぶ時間があるので「今日は帰って、また出直してきてくれ」って言いました。

しかし、その営業マンは帰らず何時間も廊下の待合の椅子で待っていました。

5時までずっと待っていたので係長も話はちゃんと聞こうと思ったんでしょう。

係長と営業マンはカウンターで座って話を始めましたが、何を話しているのかは詳しくわかりませんでしたが、結構長く話していたと思います。

私は残業していたので、大まかな状況だけは把握していました。

そのうち係長が「もう帰ってくれ、最初は少し興味はあったけど、ここまでしつこく言われるとかえって怪しい、もう先物取引はやらないので帰ってくれ」と言いました。

それを聞いて私もそうだよなと思いました。

そこまで、契約を迫るのは私も少々あやしいなと思いましたね。

帰ってくれと言われて、返るような営業マンではありませんでした。

話し方は普通でしたし、ただ粘るんです。何を言われてもひたすら商品を薦めてきます。

とにかく何を言われても営業マンは全く帰りません。係長が「金がない」と言うと「金ならいくらでもお貸しします」と言うんです。

係長は「金を借りてまでして、取引をするつもりはない」と何度も言っていました。

いくら言っても全く帰らないので、係長は強く「帰れ」と言いました。

すると相手は、「そんな事言わないでくださいよ」と哀願調になる。

これもお決まりなのでしょう、そのうち営業マンの上司と言う人までやってきたんです。

この上司がくせ者でした。

係長が「もうやらないって言ってるだろう」と語気を強めると、相手は「どういう事なんだ!話が違うだろ!」とかなり怒鳴るように言ってきました。相当な迫力でした、気の弱い人ならあんな感じですごまれたら、すいません、わかりましたと言ってしまいそうです。

これは、まじで脅しでしたね、本当にこっちまでビビるような迫力でした。

何と言うか堅気の人ではない雰囲気がしました。いやあ、すごかったですよ。

係長は気は強い人だったので「あんた、俺を脅すのか」と声を荒げると

今度は一転猫なで声で「係長さん、おどしなんてとんでもないですよ、私はただ・・・・」と延々と繰り返す。

恫喝、哀願、猫なで声、これの繰り返し、この時思いました、この連中に一人で対応したら俺も無理だと。気の強い係長ですら危ない状況です

昔、暇つぶしで一人で喫茶店にいって英会話の怪しい勧誘話を聞きに行ったけど、こんな連中だったら私も負けていたかも

ただこの状況をいつまでも放置しているわけにはいきませんよね。

我らが係長が困っているわけですから。

いつ助けるんですか、今でしょう

ここまで来たら残業していた私ともう一人の職員の出番です。

とくに打ち合わせはしないで係長を助けにいこうと決めました。

二人で「あんた達いい加減にしろ。さっさと役所から出ろ、係長はもう帰ってくれと言っているだろう。このまま出ないなら警察呼ぶぞ」とまくしたてました。

相手も何か言ったと思うんですが、相手の話なんか一切聞かずに

「早く帰れ、聞こえなかったのか、二度とくるなetc」とまくしたてました

相手も突然の加勢でたじろいで反撃しようとしてましたが。

こういう時は一気呵成に退散させないと相手のペースにはまります。がんがんと攻撃的に「早く帰れ」を繰り返しました。

二人は渋々出て行きました。

こっちも必死でしたから。営業マンが帰った後で係長からお礼を言われました。

係長もあそまで、しつこく言ってくると最初はやってもいいかなと思っていたのが絶対にこの会社とは取引したくないと思ったと言っていました。

この直後だった思うんですが、先物取引で〇〇商事が年寄りをだまして多くの被害がでました。あの時きた営業マンも確か〇〇商事だったと思うんですよ。

だとしたら、あの営業は詐欺だったという事ですよね。

とにかく、あの恫喝、哀願、猫なで声の繰り返しをされたら、普通の人では持たないですよ。

やはり「君子危うきに近寄らず」ですね。