ムットン調査団167、所長と祭り

各位

コロナで中止となっていた祭りも今年から続々と復活しますね、東京に活気が戻ってくるということです。

今回は私が出張所長をしていた20年以上前の所長と地域の祭りの話です。

私が出張所長になった頃には、もう神輿を担ぐことからは卒業していました。神輿はもう担がなかったけど、お祭りは好きでしたよ。

私に限らず他のどこの所長も地域のお祭りには必ず参加します。

大抵の場合は各町会の神酒所に顔を出して挨拶をして、次から次へと神酒所を回っていきます。

地域に根差した地域とともに歩む所長としては、まあ当然でしょう。

各町会の新年会、忘年会。子供縁日などの夏祭り、連合町会の懇親旅行、婦人部の旅行等々所長は町会行事に引っ張りだこです。

各町会は一年を通していろんな行事がありますが最も重要なのが神輿を出す本祭りです。

この本祭りの時、神輿は大抵土日に担ぎます、所長はその前日の金曜日の夜から管内の全町会の神酒所に顔をだすパターンと祭り本番の土日だけ顔をだすパターンがあります、祭りが終わった後も呼ばれれば直来(なおらい)にも参加します。

さて、各神酒所に顔を出すと必ず酒を勧められます。

各町会の神酒所ごとに酒を飲まされては体が持ちません。所長の集まりである所長会でその話をしたら先輩所長である(仮称)黒木所長が「大〇さん大丈夫だよ、神酒所で勧められる酒は、ほとんど紙コップだから、神酒所を出る時にその紙コップを持って外にでて、人がいない所まで動いたら捨てればいいんだから心配ないよ」と教えてくれました。なるほど、その手があったかと妙に納得しました。これでもう大丈夫です。

私が各町会を回ったのは祭りの前の夜だったと思います。酒は確かに紙コップでした。町会長に挨拶をした後、神酒所にいる婦人部長や町会幹部の人達と少し話をした後で次の町会に行くために神コップを持って神酒所を出ようとした時です「所長、そのくらい一気にあけてから行かなきゃ駄目だよ」と言われたんです。

えっ、話が違うと思いましたが、そんなことは言ってられません。

「わかりました」と言って一気に飲んで次の町会へと向かいました。

まあ、こういうこともあるでしょうと思いながら次の町会の神酒所を出る時また同じことを言われました「所長、そのコップ空けてからいけよ」なぬ、この町会もか、聞いていた話と違います。結局どの町会にいっても全部飲み干さないと出してくれません。

ある町会では飲食店を閉じて神酒所と一体になっていました、ここでは紙コップではなく大ジョッキにビールがつがれ、勿論そのジョッキをあけないと出れませんでした。

最後の方に行った町会では酔いが回っていたのか、神酒所に入った時に町会長から「所長、斜めに歩いて入ってきたけど大丈夫かと言われました、心配はされましたが、ここでも紙コップはあけてから出ていきました。

町会から町会へと小走りで移動していたので、余計に酔いが早く回ったんだと思います。

さて、翌日からのお祭りでの神輿について、これもちょっと話があるんです。

お祭りは大体、春と言うか初夏の5月頃に行われます。その年の1月に各町会の新年会に参加していた時の事です。

ある町会でお祭りを担当していた町会の役員の方が「所長、祭りの時はスーツきて神酒所を回るのか?」と言われました。

私は「はい、そのつもりです」と答えると「歴代所長はみんなスーツ着て神酒所に来るけど神輿を担ぐつもりはないのか」と問われました。

私は「担ぎたいのは、やまやまですが、祭り用の股引も腹掛けも全部捨ててしまい、新しくそろえないとないんですよ」と言うと

「お前、本当に担ぐ気はあるのか」と言われました。

そんなことを言われれば、私の中に眠っていた祭り好きの魂に火がついてしまいます。

「当たり前ですよ、担がしてくれるなら喜んで担ぎますよ」と言うと

「よし、わかった。股引と腹掛けは俺の予備を貸すから、あと足袋と草鞋も俺のほうで用意するから、あとはまかせろ」となりました。

このあと、この方がいろいろ尽力して私は神社の祭半纏を着ることになりました、管内の町会に所長が神社半纏で回るから、所長が来たら必ず前棒を担がせるようにと話が進みました。まあ話が大きくなったわけです。各町会の町会長やお祭りの担当の方に話が全て通ったわけです。

そんな訳で祭り当日の二日間は管内の全町会の神輿に肩を入れてきました。

華棒でもある前棒も私が来ると、みんな開けてくれて、前棒にしっかり肩をいれさせてもらいました。

久しぶりに神輿を担いだので興奮しましたよ、でも次から次へと行かないといけないので、一か所で肩をいれている時間は短かったと思います。各町会の神輿は休憩以外は常に動いていますから次の町会へ行って神輿がどこにいるか走って探して、見つけたらすぐに前棒にいれてもらい、しばらく担いだら次の町会へ行くという慌ただしい神輿担ぎとなりました。

この時神輿に肩をいれたのが私の神輿を担ぐ最後でしたね。今、まともに肩いれたら肩が壊れちゃいますから、もう担げません。

若い頃の私と神輿については次回以降でまた書きます

そこんとこ、よろしく。ソイヤ!