ムットン調査団111(7,A君の愛のゆくえ)

各位

 

今回の投稿は昔団員に配信したものです。ムットン調査団110のあとの番号が7となっています、前にムットン調査団7で配信した二年以上前の文章です。

タイトルは昔と比べて少しだけ変更しました。内容も削ったり〇〇に変えたりしています、昔読んだ方はスルーしてください。

今後も昔の文章をランダムに随時、投稿していきます。( )の冒頭の番号が105より若い時は過去の文章ですので、よろしくお願いします。

 

皆さん、お待たせしました。

団長の指示のもとK調査員が今回も至極の深いい話を持って来ました。

この話は今回の主役A君の同期では有名な話なので知っている人は知っている(当たり前です)少し有名なでは話です。ただしK調査員をなめてはいけません、Kの調査は人事時代から深掘りで有名です。ではショータイムと行きましょう

A君は茨城県で育ち、小学校時代はそれ程目立たなかったごく普通の小学生でした。K調査員えぐいです、ここまで調査するとは。

その後地元の中学に進みます、ここでA君は覚醒します。勉強に目覚め学年1位の秀才に変身します。普通、中学で学年1位になる子って小学校でも頭いいですよね。でもAは小学校では成績も普通の子だったそうです、やはりAは不思議な男です、興味が湧いてきました。調査を継続しましょう。

A君の地元の中学で1番が受験する学校と言えば茨城では有名、地元では超有名です、茨城県立S高等学校です・・・・名門

地域NO1のS高に進学し、ご両親自慢の息子になり幸せに地元で暮らしたとさ。ではなく〇〇大学経済学部へ進みます。ここで東京暮らしに慣れてしまったA君は地元に帰るか悩みますが、彼の故郷は何かあれば日帰りで帰れる距離です。華やかな東京暮らしをやめて、何もない田舎には帰れない、おれは東京で生きていくと決心し東京で公務員になります。最初の配属は総合窓口で現在は二つ目(落語の階級じゃありませぜ旦那)の職場で元気に働いています。

さて、ここで彼の同期のB子さんが登場します。同期の職員の証言では入った時から眩しく光っていた。同期の中では一番輝いていた。俺も会って見たかったなあ。そんな彼女ですが九州出身、九州の公立大学を卒業し、憧れの東京を目指し公務員の試験を受けA君と同じ役所へと入ります・・運命の歯車が動き始めた瞬間ですね。二人は同期でしたが特にお互いを意識しないまま時は流れます。

少しだけ時を戻してみましょう。四月に公務員になってすぐにB子は悩んでいました。地元九州を離れて初めて東京に来たけれど自分には東京は合わない、ここはアスファルトジャングルで息ができない、憧れの街は虚像で出来ていた。自分の目に映る東京は欲望が渦巻き、ギラギラとした人工のライトが眩しく、渦の中心は退廃と欺瞞に満ちており、虚無しかない。この街を出よう、私を育ててくれた〇〇に帰るんだ、離れて初めてわかった〇〇の魅力、なんで気がつかなかったんだろう。彼女の両親もB子が東京に行くのは反対だったし、早く〇〇に戻ってきて欲しかったのです。

彼女はすぐに行動に移します、仕事は3月までしっかり働き職場には迷惑はかけない、残った時間で受験の準備をします、そしてその夏に〇〇県庁に一発合格します(彼女もなかなかやりますね)

彼女は心の底から安堵します、東京暮らしは1年間、来年3月に勤めている役所を退職し、4月には〇〇県庁職員として心機一転やりなおそう、ふるさと〇〇で両親が友達がそして〇〇城に大自然が待っている。自分の進む道には一点の曇りもありませんでした。そうAが現れるまでは。

そうなんですAは入った頃はB子の存在すら気づいていなかったのですが同期会などで知るようになり、徐々に気になりだし夏のころには片思いで悶々としており、秋になってついに意を決して告白するのです、「僕と付き合ってください」

時すでに遅しです、彼女は彼の事を特に何とも思ってなかったし。彼に「4月になったら九州に帰るので無理です」とさらりとかえします。

彼にとっては、まさに青天の霹靂です。大好きな彼女が永遠に離れてしまう。そんな事絶対無理、無理無理。

もういなくなってしまうと思うと、悲しくてむなしくて、辛くて、泣きたくて、よけい好きになってしまいます。自分の思いを伝え諦められない、とにかく、まずは俺と付き合ってくれ、頼む、〇〇に帰るならその前に俺がどんな男でどれだけ君を好きか聞いてほしいんだ、その時間を俺にくれ、退屈だったり、嫌になったらいつでも俺を捨ててくれ、でもチャンスだけはください。

彼の根気勝ちです、あまりの熱心さに彼女は〇〇に帰るまでという限定的な友達としての付き合いをOKします。

彼は必死です、何としても東京にいさせたい、でもまだ彼女の心はつかんでいない。必死の心は時に人の心を動かします。

彼女も徐々に彼に心を開いていき、ついに二人は恋に落ちたのです・・・めでたし、めでたし

ではなく、恋人になった二人の悩みはより深くなっていきます。彼は言います「お願いだ東京に残ってくれ」

彼女は言います「あなたが九州に来るべきだ、私が〇〇に帰るのを承知で付き合いを申し込んできたのだから、あなたも〇〇で公務員を目指して、だめだったら民間のサラリーマンになればいい、私の両親は4月に帰ってくるのを楽しみにしているんだから」

彼も俺は長男で最後は親の面倒を見るつもりでいるので東京なら、すぐ両親のいる茨城に帰れるけど、九州だと両親を捨てることになるので、俺は九州には行けない

話し合いが平行線のまま、4月に彼女は〇〇に帰り県庁で働き始めます。(普通ならここで勝負あり、別れますよね)

しかし、二人は別れません、2か月に1度の割合で交互に東京と九州に行ったそうです。彼は〇〇の一泊4千円くらいのユースホステルをよく使っていたそうです。二人は愛を育みながらも、話し合いは平行線です。その年の12月23日に彼は正式にプロポーズをします。

彼女は悩みに悩みます、もしまた東京にいったら親はどんなに悲しむだろう、東京でどうやって働いていけばいいんだ、彼と別れるべきか

ここが人生最大の悩みどこです、人生の選択であり一世一代の大勝負、今日は彼と別れると決めたのに、翌日は東京に行くと決めたり、もう考えるのも疲れました、そして彼女の出した決断は、「この人とは別れられない、私の負けだ、お父さんお母さんごめんなさい」

またしてもAの粘り勝ちです、彼女は再び東京に戻るため、また公務員の受験勉強です。彼女は人生3回目の公務員試験へチャレンジです。彼女は決断する度に受験勉強をしなくてはなりません、彼はただただ愛を口にして、彼女の心を奪ったので、彼のほうが楽ですよね

そして、彼女は見事、再度東京での公務員採用試験に合格します・・面接の時は正直にすべてを話そうと二人で決めたそうです、へたな言い訳をするとかえって怪しまれると・・・確かにこの話を聞いたら落とせませんわなあ、でもこの話だけで面接時間終わっちゃうよね

翌年4月、彼女はⅹ区に採用さされました。

翌年9月、約80人の出席者のなか東京にて挙式、二人はようやく両家をはじめ多くの人の祝福のなか永久の愛を誓い、彼は「二度と君を離さない、神に逆らい悪魔に魂を売っても君だけは離さない」・・・くさいセリフですね。彼女も「ずっとあなたの傍にいます。私を離さないでねと」

後日、九州の〇〇にある宴会場で再度お披露目をしました。今は1月で1歳になる男の子と3人で仲良く暮らしています

A君の才能は中学で成績が一番になったりすることでは、ありません。

好きな女性を意のままに操ることができるという、稀代のプレイボーイなのかもしれませんね、その能力に多分本人は気づいていないと思います。

その力を間違っても他の女性に使わずに封印していれば、幸せな人生が送れることでしょう。