ムットン調査団110 知らない人に手を振られたことはありますか

各位

 

昨日、団長に会ったら山本海苔と山本山の違いを知らなかったとのことでした。団長が知らないなら結構知らない人が沢山いるかもしれませんね。

団員の皆さん、今後、団長にお中元、お歳暮等で海苔を送るときは、丸梅マークの山本海苔にしてくさい、団長は山本海苔が宮内庁御用達であることを知ってしまいました、違いがわかる男を自負していますから、これから先は山本海苔以外を貰うと団長のプライドを損ねてしまいますので、あしからず。何しろ団長は心の広い方ですので、はい。

でも団長は春華堂うなぎパイなら目隠しをしても、その味はわかると言っています。

やっぱり人には得意分野がありますね。団長は海苔のことなどわからなくても大丈夫です、イブクイックDXに専念してもらいましょう。

さて、今回の本題に入ります。

何年か前のCMで喫茶店のような場所で若い女性が手を振ると、その視線の先にいた男性が自分に手を振っていると思いこみ、その女性に手を振ってしまったら、その奥にいた子供に手を振っていたことがわかり、男性が恥をかくという内容でした。私はこのCMをすごくよく覚えています。男性は俳優のジャンレノだったと記憶しています。

私も、どのくらい前か覚えていませんが、多分二十代の頃だったと思います。

街中で私に手を振る若い女性がいて、私を見ながら手を振っていたんです、全く知らない女性なんですが、自分に手を振ってくれている人がいると、まあ条件反射じゃないんですが、軽く少しだけ手を振っちゃたんですね。

皆さんは経験ないですか?だからそのCMを見たときは、まさしくこれだよと思いました。

私の時は私の真後ろに手を振っていた女性の友達がいて、すぐに自分に手を振っていないことに気づくんですが、その瞬間すごい恥ずかしかった記憶があります。

この、経験があったので以後、似たような状態になっても絶対に手を振らずに、周りを見渡すと必ず手を振っていた人の知り合いが私の近くにいました。

教訓・知らない人が私に手を振っている場合はすぐ近くに、その人の友人がいる。

そして月日は流れます。

私が四十代の時、家族で大きな公園に花見に行ったんです。

家族が芝生で休んでいる時、私は「少し公園全体を一人で見てくる」と言って、ゆっくり散歩をしていました。

10分くらい歩いたでしょうか、道の右側全体が芝生で下りの斜面になっている場所にでてきました。道の左側は平面の芝生です。

右の斜面には一組のカップルが寝転んでおり、左の芝生には数組の家族がいます。

私は斜面だと居心地が悪いんじゃないのかなと思いながらカップルを見た時です。

斜面に寝転んでいるカップルの女性がうつ伏せ状態で顔を持ち上げて私に手を振っているんです。もちろん知らない女性です。

若い時の勘違いの経験から、知らない人が手を振っても反応しないことが身についていますから、間違っても手を振ったりなんかしません。

ましてや、若いカップルです、間違って手でも振ったら彼に殴られるかもしれません。

まず私の周りを見渡します。その時、道を歩いているのは近くに私しかいないんです。

立っている人は、あたりを見渡しても私だけなんです。斜面の中腹にいるカップルは平地の芝生にいる人は見えません。

状況を考えると、手を振っている女性が見えるのは私だけと思われました。私は立ち止まりもう一度、私の後ろや左右を見ますが誰もいない、そこで彼女を見ると、やはり私に手を振っています。

ここは悩みどこでした、どう考えても彼女は私に手を振っている、しかも思いっきり手をふっている。彼女の位置からは私しか見えない、でも私は彼女を知らない。

どうする、どうする、このまま立っているのも変だし。ここで決断です。

うーん、私は知らない女性に手は振れないし、彼もいるわけだから、ここはやはり安全策でそのまま通りすぎるが正解です。

私は相変わらず手を振っている彼女を横目でちらっと見てそのまま歩き始めました。

知らない女性に手を振るリスクは避けるでいいでしょう。きっと彼女が私を誰かと勘違いしているんだと結論づけました。

歩き始めて十数秒くらいした時に、突然私の目の前に先ほどの女性が走ってきて現れたんです。「課長、なんで私を無視するんですか!」

なんと、その女性は〇津さんじゃないですか。

普段は職場でしか会ったことがなかったし、ワンピースなどスカート姿しか見たことがなかったんです。その日はGパンにトレーナー、そのうえ帽子をかぶっていたんです。

いや、これはわからない。私は無視したんじゃなくて知らない若い女性が手を振っているので、私ではないと思って、その場を去ったんですよと謝りました。

〇津さんは「手を振っても無視するし、目だって会っているのに無視、そのまま歩いていっちゃうんで、走って追いかけて来たんですよ」と言われました。

まあ事情がわかり、お互いにげらげら笑いました、あまり話し込んでいると彼にも悪いから、そこそこで切り上げました。

〇津さんは、いつも笑顔で素敵な人でした。彼女がいるだけで周りがパッと明るくなるような華がある女性でした。当時、彼女は私と同じ課の中で民間に委託していた部門にいましたが何年かして、わが社を去っていきました。

〇津さんのファンの男性が結構いたと、後から聞かされました。彼女が去ってがっかりした人も沢山いたことでしょう。さもありなんです。

今どうしているんですかねえ、きっと明るい家庭をしっかりと築いていると思います。

今、知らない女性に手を振られたら、どうするかって。そりゃあ、まず周りをよく確認するでしょう。雑踏の中で知らない人が手を振っていたら、基本は無視ですかね、繁華街で若い女性が手を振ってきたら、完全無視ですね、手でも振ったらその女性が働いている店に連れていかれてしまいそうです。

では、昼間に普通の街中で中高年の知らない女性が、明らかに私に手を振ってきたらどうするか、ここは難しいですよ。お互いに歳をとっていますから、昔知っていた人の可能性がありますから。

もし〇津さんなら、また誰だかわからなくても大丈夫です。必ず走って追いかけてきてくれるはずです。

でも〇津さんなら今度は必ず、私が先に見つけましょう。そして大きく何度でも手を振ります。あの時は帽子を被っていたから、わからなかったんです。今度、会った時に〇津さんが年をとっていても、その中に昔の面影を必ず見つけます。その素敵な笑顔は歳をとっても変わらないはずだから。

いつかどこかで、また偶然会えるかな。

 

追伸 過去の文章も投稿してほしいと要望があるので、週1ペースで新規の投稿を続けますので、今後はその合間に過去の投稿を入れていきます。

 んじゃ  See you