ムットン調査団185(49、恐怖のエレベーター)

今回の話は5年くらい前に起こった話です、こんなことあるんだという珍しい話です。

各位

私が4階の〇〇部長の時の話です。当時、団長はじめ私の近くにいた人達の間では有名な話です。

始まりは、ある時一階からエレベーターに乗った時30代くらいの女性に「こんにちは」と挨拶をされた事です。多分この時エレベーターの中は二人きりだったと思います。

この「こ ん に ち は」と言う言葉のスピードが幾分ゆっくりだったので、少し違和感を覚えたのですが、まあ職員としては挨拶をされたら当然こちらも挨拶をするのは常識なので、私も「こんにちは」と言って、最初の出会いは何もなく終わりました。

その次に出会ったのは2週間後ぐらいだったと思います。ここから先その女性に出会うのは全て昼休み中です。

当時私は昼は(仮称)松沢部長と一緒に建物の上階にある食堂に行き、食べ終わったら1階に降りて松沢さんの喫煙に付き合い(私は10年前から禁煙中)その後エレベーターで4階の職場に戻るのがお決まりのローテーションでしたので、松沢部長は常に私と一緒に現場にいた目撃者になるのです。

事件が起きたのは1階でみんなとエレベーターに乗った後です、その女性も乗って来ました。ドアが閉まり動きだした後、突然その女性がものすごい速さで指を1本私の口に突っ込んできたんです。気が付いたら入っていたというくらいの早業です。

あっという間の出来事で私は混乱状態です。指は、ずぼっと奥まで入れられたあと、すぐに抜かれました。私の頭が混乱しているさなか、その女性はエレベーターを降りて行きました。

えっ、どうして?「松ちゃん見たよね、彼女指を俺の口に突っ込んできたんだぜ」

松沢さんも当然びっくりしていましたが、まあやられたのは私なのでお気の毒にいったところでしょうかね。

まあ、もらい事故にでもあったような気分です、こんな変な事が起こる日もあると自分を納得させ、これで事件は終了と思っていました。

冷静になって考えてみると、あの女性はなぜ俺の口に指を入れたのか?松沢さんはじめ他の人もいたのになぜ俺だったのか、あの行為にはどんな意味があるのか等々。

まあ、いくら考えても答えは出ないので考えるのはやめました。唯一理由があるのは、挨拶をしたという事だけです。それ以外は何も接点がありません。

しばらくたって、もうその事件を過去のものにしようと思った頃です。

その日も松沢さんと昼に1階でエレベーターに乗った時、その女性が久しぶりにいたんです。警戒警報が頭の中で鳴っており、用心をしていた時、目にも止まらぬ速さで彼女の指が私の口にまた入ったのです。防御もしたのにまたも指が深く私の口に入ったのです。

そして女性はエレベーターを降りて行きました。

これはショックです、2回目ですよ、その女性がいたのがわかっていて警戒していたのに、またやられたんですから。

これは明らかに私を狙っていますよね、エレベーターに乗っている他の人には目もくれず、神業のような速さで指を突っ込んでくるんですから。

二回もやられると、エレベーターに乗るのが少し怖くなりますよ。

なぜ二回目は警戒しているにに防ぐ事が出来なかったのか、なぜ瞬間に指が来た時に口を閉じずに無意識で少し開けていたのか? 口を閉じていたら私の口か相手の指が傷つくので無意識に少しあけてしまうのか、そんな事よりなぜ彼女は私を狙うのか?

その日以降エレベーターに乗る時は最大限の注意をし、次に彼女がきたら絶対阻止するために身を守る体の動きもシュミレーションして備えていました。

それにしても、エレベーターに乗るのが当時まじで少し怖かったですよ、日中一人で乗る時、その都度、警戒態勢でおそるおそる乗り、途中で人が乗ってくる時も身構えていましたから。これは経験しないとわからないと思います。

そして、またしばらくしたある日、松沢さんとエレベーターホールでエレベーターが来るのを待っていた時です。

それなりの人込みの中、私が彼女に気づく前に彼女は歩きながら素早く一瞬で指を口に入れてきたんです。

今までは二回ともエレベーターの中でやられていたので、エレベーターに乗ってない時は警戒を緩めていた一瞬の隙をつかれました。歩きながら一瞬で指を人の口に入れる能力、恐るべしです。

感心してる場合じゃないんです、これはかなりショックです。いくら何でも三回もやられるとは、情けないやら、頭にくるは、警戒する場所はエレベーターの外にまで広がってしまいました。

そこからは、常に周りを警戒し人を見かけたらその女性と思えと思うくらいの用心をしました。

そして、また松沢さんと一緒にいる時彼女が乗ってきました。完全警戒態勢の中彼女がおそってきました。素早く体をひねり彼女に背を向けて防御に入りました、肩越しから指が伸びてきて私のほっぺたのあたりまできましたが何とか防御成功で初めて指の侵入をくいとめました。四回目にしてやっと攻撃をかわしました。やればできるじゃん俺なんて余裕はありません、これはまた襲われるという事ですから。

また、この時の背を向けての防御はあと少しで口に届きそうだったので、対策に改良が必要です。

4回あることは5回あると思って間違いありませんから。

そして、超警戒態勢の中またも松沢さんと一緒の時彼女がエレベーターに乗り込んで来ました。私も一回は阻止に成功したので今回も連続阻止を成功させて、あきらめてもらう必要があります。

予定通り、彼女は素早く動いてきました。猛然と襲いかかってくる彼女に対し私は前を向いたまま、片手で自分の口を押さえて指を侵入できなくし、もう一方の手で強く相手の手をブロックしながら「こんな事はやめなさい、何度も大きな声で注意をしながら、ひたすら彼女の手を私の手で払うようにブロックしました、彼女もあきらめずに必死で襲いかかってきます、「やめなさい、駄目です、こんな事をしては、やめなさい」何度も大声で注意をしました。それでも彼女も執拗に何度も何度も襲ってきましたが、私のブロックに阻まれて駄目でした。扉があき彼女は諦めてエレベーターから出ていきました。いやー短時間でしたが、すごい攻防でした。

今のところこれが最後に襲われた時です。

皆さんはなぜ警察に連絡しないんだ?とか松沢さんは一緒にいて、どうして何もしなかったのかと思いますよね。多分ですがこの女性は障がい者施設に通っている人ではないかと思うからです。・・推測です

でも昼の時間帯に一人で行動しているなど、本当のところは不明です。

一回目の事件の後、障害者福祉課長を通して施設にも事の次第を伝えて該当者がいたら注意してもらうよう対応済です。

あれから数年が過ぎましたが、まだ時々エレベーターを乗る時、当時を思い出します。

マスクがあるぶん、今は少しだけ安全だなと思っています。

この事件は私だけにおきた特殊なケースだと思っているそこのあなた。

この口に指を突っ込まれた職員は私以外にもう一人いましたよ。ただし、その人は1回だけだったので、私の記録3回は当分破られないと思います。

明日はあなたかもしれませんよ。くれぐれも油断なさらぬように

 

「団長一口メモ」

このあいだ読売朝刊10面で浜松(西)高校が取り上げられていて、創立97年を迎えた伝統校でノーベル物理学賞の天野治は卒業生などと書かれてあったのですが、団長は西など北が横綱なら、せいぜい関脇以下だ面白くないとご立腹でした

そこで、ご機嫌を直してもらうために、団長に言いました「前に団長が教えてくれた、オリンピック開会式でピアノを弾いた浜松北OBの女性は有名なんですね、N課長は前から知っていたそうです。結構N課長が気に入ってるピアニストみたいですよ」と。

そしたら団長、照れ屋だから顔赤くしてニヤニヤしていました。・・・これは団長が嬉しいい時に見せるしぐさです。団員のみなさんも覚えておきましょう。

大酒を飲んだ後の団長は赤い顔とニヤニヤまでは一緒ですが、陽気になり声も大きくなりやたらと喋ります。団長の嬉しい時と酒を飲んでる時の違い分かっていただけたでしょうか。

それでは今日はこの辺で。

んじゃね