ムットン調査団149(61、団長が断腸の思い)

今回は一年前に浜松北のOB職員がわが社を辞める時に書いた文章です。

ムットン調査団61 団長が断腸の思い

各位

団長の人生には今まで、三大奇跡というものがありました。

一つ目が浜松北高に入学したこと

浜松地方においては浜松北高校に入ることが絶対的なヒエラルキーのトップに君臨します。これにより、団長のご両親も近所の人から尊敬されるなど親孝行な息子さんでした。

二つ目が奥さんに出会えたこと

出会った瞬間から恋に落ちた団長の愛しい妻、これ以上は書きません

三つ目がわが社の中で浜松北の固い結びつきが出来たこと

四つ目以降もたくさんありますが、奇跡ではないと横槍が入ったりするので3つにします。

例えば100mを高校時代11秒台で走ったと言うと。〇田君が俺なんか中学時代に11秒台で走ったと言ってきます。

静岡は日本一良い場所だと言えば〇田君が僕の生まれた神奈川から見たら、ただの田舎ですと言ってきます・・・〇田くん恐るべし

そんな訳で、団長の奇跡は3つに絞ってあります。

この三つ目の浜松北の結束ですが、団長が〇〇担当部長の時です。私は団長の隣の席にいたのでよく覚えています。

当時、団長以外で浜松北のOBは(仮称)山藤さんだけでした。その山藤さんが我々の部に異動してきたので、団長は大変満足していました。すると翌年なんと、なんと新人で浜松北OBの(仮称)野田さんが山藤んと同じ係に配属されたのです。

団長の席から見える位置に団長含めて3人の浜松北のOBが集まったのです。

団長は感激のあまり、三日三晩嬉し涙を流し続けたとも言われております。

団長は「こんな奇跡は二度と起きないであろう、浜松北の職員が入ってくるだけでも珍しいのに同じ所に三人も集まってしまうなんて、人事はなんて素敵なはからいをしてくれるんだ。これは神がくれた奇跡だー」と絶叫していたとか、いないとか。

まさに、団長の絶頂期でした。

団長は山藤さんが結婚する時もショックで大変悲しみ、いや間違えた大変喜びました。山藤さんは団長の一のお気に入りでしたから、そんな山藤さんの夫を団長は「あいつは許さん、決して許さん、山藤さんを幸せに出来るのは浜松北の俺だけなんだ、また間違えた、いい旦那さんじゃないか、よかったよかった、山藤さんを幸せにしてくれるだろう」と言ってました。

野田さんが昨年結婚した時も再び悲しみ、あっ間違えた、再び喜び、彼女を祝福したそうです。団長は浜北の人間は全員自分のファミリーと思っていますので、二人は団長の「恋人」じゃなくて「宝」だと思っていました。

彼女たちは団長の宝であり、命そのものだったのかもしれません。

そんな中、浜松北ファミリーに激震が襲いました。

なんと野田さんが三月で退職することになったのです。わが社に入庁して3年です、あまりの早い退職に団長は今、茫然自失状態です。

団長は毎日、神を呪っています「おー神よ、汝は私から一番大切にしている者をいとも簡単に奪っていく、なぜそんなむごい事をなさるのですか、私から浜松北を取ってしまうと私には何も残りません、神よ私には浜松北が全てなんです。それでも奪っていくというのなら、私にはもう神などいらぬ、そんな神なら俺は信じないぞ、」

これは、まずい兆候です。団長は普段は法律しか信じません、神を呪うなど、よほどショックが大きのでしょう。

ここは、しばらく静養してもらいましょう。

時がたてば、団長の怒り、悲しみ、虚しさも落ち着いてくるでしょう。

なぜ、野田さんはわが社を辞めるのか、はい、団長命令で私が直接事情を聴いてきました。

彼女はM大学法学部入学から数えて今年で東京にきて7年になるそうです。

「東京にきて7年たったけど私には浜松がやっぱりNo1だったそうです。」

そうなんです、彼女は団長が愛してやまない故郷浜松に帰るんです。4月からは〇〇市役所で働くそうです。

〇〇市役所にすぐ合格するとは、やはり浜松北はただものじゃありません。

現在の〇〇市長も浜松北の出身です。〇〇市役所はきっと浜松北の出身者に牛耳られているんでしょう。

ご主人はどうするのか気になりますよね。

旦那さんは浜松でもリモートで仕事が出来るそうです。それでも浜松についていくんですから、彼女にほれてますね。

団長には「浜松に来た際は是非お寄りください」との事でした。団長はそんなラブラブの二人の所には絶対に行きません。もし、浜松で独り身になった時に団長に連絡すれば、奥さんには内緒で、鼻の下を伸ばして春華堂うなぎパイ持って、すっ飛んでいきますからその節は必ず連絡してあげてください。

そんな訳で四月に彼女は我が社から去っていくので、団長のショックは当分、尾を引きそうです。

こんな時だからこそ、我ら調査団員一同、力をあわせて団長を見て見ぬふりをしようではありませんか、それが心遣いってもんですよね、旦那。