ムットン調査団182、〇田君の委員会デビュー

各位

いつも団長に反抗している〇田君も管理職になり、先日の常任委員会でしっかりと報告案件を説明していました。

初めての委員会への出席と事案の報告、はたから見ても緊張していたのがわかりました。

私も昔、昇任して初めての委員会報告の時は緊張しました。大した内容ではなく簡単な報告だったんですが心臓がバクバクしていたのを覚えています。

簡単な報告が終わると、すかさず委員から質問がありました。質問がくるとわかっただけで、さらに緊張しましたね。心の中では「初めての委員会報告なんだから、質問なんてしないでくれ」と思いました。

報告事項の説明は提出した委員会資料に合わせて、何を話すのか全部前もって原稿を作るので委員会ではその原稿を読めばよいわけです。

私も最初のうちは読む文章を全部作成していましたが、慣れてきたら委員会資料をもとに、その場で話すようになってきました。もちろん事前に資料を見ながら、こんな感じで話そうということは事前にやっておきます。

なぜ、そうち話す内容を作成しなかったと言えば、作るのが大変だったからです。その場で資料見ながら話してもさほど変わらないかなと思ったので。

部長になると最初に報告案件を話すのは基本的には課長なので、そこは課長にまかせることになります。

いずれにせよ、課長になりたての頃はみんな原稿を作って報告事案を読み上げているのが一般的です。

しかし議員の質問に対する答弁となるとそうはいきません。あらかじめ想定質問を考えて想定問答を作成する管理職もいます。想定の範囲内ならそれも良いのですが関連事項を含めて何が質問されるかは、わかりません。なので報告が済んでも安心はまだ、できないのです。

報告事項によっては何も質問がなく終わることもあります。確率的には7~8割くらいの割合で質問は飛んできます。自分が報告した案件の内容をより広く、より深く掘り下げて勉強しておく必要があります。

それでも、質問の内容によってはわからない時もあります。そんな時は正直に「今、手元に資料がないのですぐにお答えすることは出来ません」と言うのが無難だと思います。

一般論が長くなってしまいました、〇田君に話をもどしましょう。

緊張していた〇田君も報告案件を無事に読み終えましたが、すかさず質問が飛んできました。本人はドキドキしていたと思いますが、落ち着いた無難な答弁だったと思います。

まあ合格点でしょう。他にもこの日は昇任した他の課長も答弁をしていましたがそちらも無難に答弁を行っていました。

この日は議会が新しい構成になって初めての常任委員会だったので所属する管理職は最初に自己紹介するため全員出席でした。

〇田君の親友、米〇君も昇任した管理職として出席していたのです。

では、委員会が始まる前の二人の会話をのぞいてみましょう。

米〇君「〇田君、久しぶりだねえ元気、今日は委員会で報告案件があるんだろう、頑張って」

〇田君「おう、まかせろよ。委員会答弁なんてちょろいもんだぜバシッと決めてやるから見てろよ。米〇も、お前もそのうちこういう時が来たら俺がいろいろと教えてやるからな。まあ、要は落ち着いてリラックスすることだ、あとトイレに必ずいっておくことだ、何も心配ないからな、大丈夫だ大丈夫だ、へへへへ」

米〇君「何だか〇田君、すごく緊張してるみたいだよ、さあ深呼吸してごらん、心が落ち着くから、自分の番が近づいてきたら本当に緊張するみたいだから大きな深呼吸をすると、いいんじゃないかな」

〇田君「うるせい、俺は緊張なんかしてないんだよ。やる気がありすぎて武者震いがでてるだけなんだよ」

米〇君「今日の答弁がうまくできて第二回定例会を乗り切ったら飲みにいこうか」

〇田君「おまえ酒豪だから、お前に付き合ってたら俺がつぶれちゃうんだよ。それより俺今時間がないんだよ、ちょっと読むのがあってさ、また今度な」

米〇君「あー原稿の読み直しをするんだね、話かけて悪かったね、頑張って」

〇田君「俺は原稿なんて読まねえよ、その場で思いついたままにしゃべるんだよ。読みたいのは全然別の資料だよ、またな」

米〇君「僕には虚勢を張らなくてもいいんだよ、またね」

なかなか、仲のよさそうな微笑ましい光景でした。

この常任員会には我らが団長も入っています。

委員会が終わった後で団長に今日の〇田君の委員会答弁の出来を聞いてみました。

団長曰く「奴の答弁は最初だから仕方ないのだが、まだまだぎこちない。私のように流れるような滑らかさがない。私を見習い、いつの日かショパンの調べのような流れる答弁が出来ることを期待する。奴は中学の時に100m11秒台で走ったらしいが11秒後半だ、私は高校時代11秒前半で走ったんだ、この差が答弁にでてくるんだ。ほんの少しの差だと思うだろうが陸上を知るものにとっては天と地くらいの差があるんだ。一から基礎を鍛えて頑張るように言っておいてくれ、県立相模原など、まだまだ浜松北の敵ではないわ、こわっぱ」との事でした。

団長が何を言いたいのかわからないので〇田君には伝えません。中学時代の11秒台で走った〇田君を妬んでいるのかもしれません。団長、意外と執念深い性格かもしれませんね。

まあ、いずれにしても初めての委員会で初めての報告をした昇任した管理職のみなさん、ご苦労様でした。ここからが始まりです。

議会の乗り切り方は管理職それぞれです、いろんな個性がでてきます。自分にとってやりやすい方法を模索しながら、この大海原の航海にでてください。

貴方たちの未来はもう若者ではないので無限には広がっていません、限られた未来の中での挑戦です。最後に笑うのは誰なのか、それは人生が終わる瞬間までわかりません。

だから人生は恐ろしくもあり、楽しくもあるのです。

さあ、みなさん人生ゲームの残りを始めましょう。みんなそれぞれのゲームの主人公ですから。どんな場面も全てその人にとっての、イッツ、ショータイムです。

人生に悔いを残さないためにも最高のゲームがしたいですね、たとえ敗れたとしても。