ムットン調査団183(64、中学最後のビンタ)

土日は気温が30度を超えて真夏のような暑さでした。いきなり暑くなると体が慣れてないのでバテてしまいます。もう夏本番かと勘違いしそうですが、まだ梅雨の真っ只中なんですよね。

でもあと一か月もしたら夏休みを取って、旅行をしたり思い切りリフレッシュをしましょう。

さて今回も昔書いた中学時代の話です。

各位

中学時代の長野先生には本当によく殴られました。特に三年の時は私の担任で、しょっちゅう殴られていました。

その殴りかたは、旧日本陸軍の殴り方と同じです。「歯を食いしばれ一歩前にでろ」一歩前に進んだ瞬間にすごい勢いで平手で殴られます。平手なので殴られてもケガはしません、体は時に吹っ飛びますよ。ただし一発殴られたら、そこで終了です。

しかし、その日は違ったんです。中学3年最後の期末試験の時です。もう受験も終わっており、この試験に何の意味があるんだろうとみんな思ってました。

内申も関係ないし、ただ試験を受けるだけみたいなダレた雰囲気でした。

その時間の試験監督は英語の丸木先生がくるはずだった。1年の時の担任で20代の若い独身の先生です。

保健の(仮称)森田先生と出来ているんではという噂もありました。

そこで私のいたずら心に火がついて、教室の黒板に丸木先生と森田先生の相合傘やハートマークなど落書きを始めたら、他に4人の男子生徒も参加して黒板一面が相合傘などで埋め尽くされた状態でした。

僕らは丸木先生がそれを見ても、犯人探しなどしないで、せいぜい軽い注意くらいだと思っていたので、早く丸木先生が驚く姿が見たいなんて気楽に構えていたんです。

ところが、ところが何と担任の長野先生が試験監督に現れたんです。

「えー、どうして、やばい、やばい」頭の中は軽いパニック状態です。

最初、黒板見てなかった長野先生は普通に問題用紙を配って、試験が始まったんです。

もしかしたら、気づかないで終わるかも、淡い期待はすぐにはじけ飛びます。

私は試験など、もう0点でも良い訳だから、長野先生の動きだけが気になっていたんです。そして長野先生がついに黒板を見てしまったんです。

じーっと黒板見てたと思ったら、こちらに体を向き直し「誰がこの落書きを書いたんだ、書いた奴は前に出てこい」と怒っています。

やや間があり、みんな立ち上がったので私も最後に立って5人教室の前で並びました。

私は最後尾の5番目です。

この日の長野先生は荒れてましたねー。長野先生は1年の時から殴るのはいつも1発なんです。

ところが一人目が先生の前に行き、「歯を食いしばれ、一歩前へでろ」とここまでは同じだったんですが、一発殴ったあと続けて二発三発と殴ったんです。

「えー、一発じゃないんだ、やべーぞ今日は」

二人目、三人目、四人目とみんな何発も殴られていました。でもまあみんあ教室の前のほうでよろける程度ですから、基本大したことはないんです。

もっとも、試験を受けている最中の生徒は試験どころじゃないですよね、教室の前の方で先生が次々と生徒をひっぱたいているんですから。

そして、私の番がやってまいりました。先生の最初の言葉は覚えています。「お前は最後の最後まで迷惑かけやがって」

この日のビンタはけた違いでした、私は殴られると試験をやっている生徒の机の上に吹っ飛びましたから、先生は私の胸ぐらを掴んでまた引っぱたく、その都度後ろの机の上に横になるくらい吹っ飛んでいましたね。この時、長野先生が私の胸ぐらをつかむ時、首をひっかいたんでしょう。家に帰って鏡を見た時、首に四本の爪の後がくっきりついていて、爪のあとはしばらく消えませんでしたね。

今そんなところに、4本の爪のあとなんかつけて帰ったら誤解されて大変なことになるでしょう。

話は戻りますが、殴られて吹っ飛びを繰りかえしていたら、とうとう私は教室の一番後ろの壁まできていました。

先生は両手で服をつかみ、まじの壁どんですよ、壁に何度も私を叩きつけましたから。

壁ごしに隣のクラスにも衝撃音が伝わったんでしょう。

隣のクラスにいた(仮称)桐谷先生がきて、「長野先生なにがあったんですか、大丈夫ですか」と聞いてきて

長野先生が「大丈夫です、何でもありませんから」と言って、ようやく私は解放されました。

長野先生がここまで怒って、殴ってきたことは初めてでした。

殴られるのは慣れていたので怖くはないいんですが、今日はどうしてこんなにという、驚きと戸惑いですかね。卒業間近ですから。

今考えるに、三年で私の担任になり、学年主任の数学の川又先生や理科第一分野加山先生、体育粟谷先生などに目を付けらているので、内心が低くなることを心配して先生達に頭を下げるなど、いろいろ面倒を見てきた、お前のせいでどのくらい苦労したと思っているんだと、その感情がたまたま最後の落書き、そして最後の最後のビンタで抑えていた感情が爆発したのかもしれません。

私は3年生の時、長野先生には本当によく殴られました。ただ何回殴らても長野先生のことは嫌いじゃなかったです、今なら大問題になったんでしょうけど、長野先生のビンタには信念?のようなものがあったと思ってます。

私を陰湿にいじめていた何人かの先生は大嫌いでしたけど。

卒業する時、長野先生に「高校に行ったら中学のような事はするんじゃないぞ、付属から持ち上がるのに問題おこしてたらいけなくなるからな」と最後のはなむけの言葉をいただきました。

その後、高校からは目立たないように心掛けてきたつもりです。

「歯をくいしばれ、一歩前へ出ろ」 はい喜んで