今週も決算議会の真っ最中です。したがって、今回も前回と同じで一年前の決算議会の時に書いた文章にしました。
前回は決算議会で自分があせった経験を書きましたが、今回は他の管理職の方で忘れられない決算委員会での出来事について紹介します。
各位
今回は１５年くらい前に定年退職したNさんの決算議会の決算特別委員会での話です。
Nさんはその時は監査事務局長をしていました。
当時Nさんは５０代後半の年齢だったと思います。真面目な人で冗談などは全く言わないタイプの人です。
議会答弁は、あまり得意なほうではなかったと思いますが、いつも質問に対し正直に答えていたという記憶があります。
そんなNさんが、ある年の決算議会で大変な事になるんです。
まず、普通に議員さんからの質問がありました。質問そのものは、そんなに難しい質問ではなく、一般的な質問だったと思います。
議員さんからの質問にNさんが、まず答弁をしました。議員さんがその答弁に対して、再度質問をします。
Nさんは、再度、答弁をします。その答弁の中に「ですから、・・・・・・」とういう言葉がありました。
議員はNさんの答弁をさえぎり、「ですからとはどういう意味ですか」
Nさん「失礼しました、・・・・・ということで、ですから、・・・」とまた、答弁の中で、「ですから」と言ってしまったんです。
すると議員さんが怒ってしまい「だから、ですからとは何なんだ、何がですからなんだ」と怒鳴ります
Nさんは、かなり萎縮した感じになっています。さらに極度に緊張した状態になっているのがわかります。
そしてNさんの次の答弁で「申し訳ございません、・・・・・ですから、」
また、Nさんの口から「ですから」がでてしまったのです。
議員は完全に怒ってしまい「何が、ですからなんだ、ふざけるな」
確かに立場を変えてみると、「ですから」と言われると、ん？となりますよね。
Nさんは顔は真っ赤です、真面目な人で極度の緊張状態になっています。見ている我々からしても気の毒な感じはしました、Nさんは常日頃の答弁や会話などで、ですからが接続詞のようになっていて、完全に癖になっていたんだと思います。
全議員と区長以下全管理職が揃っている決算委員会という最も緊張する場面で緊張しすぎて、「ですから」と言っては駄目だと意識しているのに何度、答弁をしても必ず「ですから」という言葉が出てしまうんです。
皆さんの中にも会話の合間に「えー」という言葉を入れる人は多いですねよ、Nさんは、それが「ですから」だったんです。
緊張が強すぎて、「ですから」は言っては駄目だとわかっているのに、無意識に口から「ですから」と出てしまうんです。本人も「ですから」と言ってしまった後にすぐにあやまるんですが、あやまったそばかから「ですから」がでてきます。
議員さんは、ますます怒ってしまい、完全な悪循環になっていました。
監査は組織の中では区長部局と独立しています。したがって、監査事務局長の上司は代表監査委員なので、副区長は上司ではないので答弁できません。
したがって監査事務局長は答弁で大混乱しても誰も助けることが出来ないのです、自力で委員会を乗り切らなければなりません。
結局、この後も何度、答弁しても「ですから」という言葉を言ってしまうので議員も、かなり怒ってしまい、委員長が休憩にしました。
このあと長い休憩に入りました。「ですから」と言う発言が問題になっての前代未聞の長い休憩です。Nさんもがっくりしている感じですが、この休憩時間に質問した議員や委員長に謝りにいったり、副区長に相談したりと動き回らなければなりません。
「ですから」発言で止まった委員会を再開させて、再び自分の答弁が待っているわけですから、緊張しますよね。
休憩の時間に副区長も調整に入ります、副区長も質問した議員さんに謝り、「本人も、ですからが癖になってしまい申し訳ないと反省しています、彼はすごく頭の良い職員なんですよ」と休憩中に言っていたことを思い出します。
委員会が再開されました。Nさんは休憩中に書いた文章を読み上げたと思ったんだけど、はっきり覚えてません。書いた文章の読み上げなら、「ですから」はいりませんから。
「ですから」のない答弁がやっと出来ました。多分、その場にいた人はみんなほっとしたと思います。
なんとか議員からのOKが出ました。
Nさんの出番はそこで終わり、次の質問に移っていきました。
私の議会体験の中では、強烈に印象に残っている「ですから」決算委員会です。
話し方で変な癖が身についていると、極度の緊張状態では、ああなるんだと思いました。
なくて七癖と言います、貴方にはどんな癖がありますか？答弁中に鼻をほじくるとか。
舌を出すとか、あっこれは癖じゃなくて挑発ですね。絶対にしないでください永久追放になってしまいますから。
昔、役所の中の会議中によく鼻毛を手で抜いていた人がいました。誰かって、それは想像におまかせします。
んじゃ またね
