ムットン調査団215、禁煙達成

各位

今週は連休明けの火曜日から議会の委員会が夜まで続き、投稿する気力が残っていませんでした。

はい、気力、体力は復活しました。そんな訳で前回のタバコの続きです。

前回はもうタバコがやめられない状態になってしまったとこまででした。

タバコをやめられないので、吸い続けるわけですが、タバコを取り巻く環境だけは年々厳しくなっていきます。

職場の中でタバコを吸いながら仕事をするのが当たり前だったのに、役所の執務室では吸えなくなり各階に喫煙所が設置されるようになりました。

このことが結果的によりタバコ中毒に拍車をかけることになったんです、この時期から私がタバコを吸う本数が急増します。

職場でいつでも吸える状態から喫煙所に行かないと吸えなくなったので、吸いだめをするようになったんです。2本まとめ吸い。昼休みは4~5本まとめ吸い。

このまとめ吸いはアフター5でも土日でも習慣になり、結果的のタバコを吸う本数が増えていき、やがて一日50本吸うようになり、もう完全にやめられなくなりました。

役所の会議や議会の委員会でも二時間くらいで休憩が入らないとニコチンが切れて、吸いたくて大変でした。最も役所の職員や議員の中にまだヘビースモーカーが沢山いたので、大体、議会の委員会でも二時間を超すと必ずタバコ休憩がはいりました。

まだ職員や議員の中にタバコを吸っている人がかなりいました。その中でも私はやはり、かなりのヘビースモーカーの一人でしたね。

まわりからも、うちの役所で最後までタバコを吸い続けるのは私だろうと言われていたし、私もそう思っていました。ここに至って完全に依存症になっていました。自分でも他の依存的なものは断ち切ってきたけど、タバコだけは頭の中を完全に乗っ取られていて止めるのは無理と諦めていました。

しかし、今から12年前、私が〇〇担当部長の時です。

ついに煙草をやめるきっかけとなったその時が来たんです。

その日のことはよく覚えています。毎年の健康診断の結果の通知が来ました。いつも気にしていたのは体重とか肝機能検査値のGPTとか、コレステロールとかそれくらいでした。

ところが、その時はなんと健康診断の結果、左の肺に影があるのと書いてあり、後日再検査をするとの通知がきたんです。

一瞬、血の気が引きました。ショックでしたし、これはヤバイと思いました。

ヘビースモーカーだったので、ついに肺がんになったと思いました。この衝撃が私を目覚めさせたんです。

この時、子供はまだ高校生と小学生でした、この先、家族はやっていけるだろうか。まだ死ぬわけにはいかない。

その瞬間に今からタバコ止める、もう手遅れかもしれないけど。初めて強い決意をもちました。二度とタバコは吸わないと自分自身に誓いました。

そこから禁煙の戦いが始まります。

その日はまだ衝撃でタバコを吸わなくても大丈夫でしたが、翌朝からが大変でした。

それまでは、朝起きたら、家だろうが旅先の旅館だろうが、とにかく起きたと同時に一服しないと体が動かない。まず一服します。その後、キッチンの換気扇の所に異動して珈琲飲みながら2本、これでようやく目が覚めて、トイレに行くのですがトイレの中でも換気扇を回して、窓を全開にして、タバコを吸わないとダメな体質になっていたんです。

職場に着いたら、まず喫煙室にいきます。このように朝起きてから寝る前の一服まで生活の区切りは全てタバコになっていたんです。

禁煙翌日の朝、起きてタバコもすわずコーヒーを飲んだんですが、頭はぼーっとしたままで次は何をしたらいいのかも、わからない感覚でしたね。トイレにいっても用がたせず。

職場でも喫煙室に行かないため、ずっと机に座ったままなので仕事のリズムや切り替えがつかない。タバコを止めてからの一週間くらいは生活のリズムがとにかく取れないし、頭は常にボーっとしてるし、気が付けばタバコの事を考えてたし。

夢でもよく見ました、必ず夢の中でタバコを吸ってしまうんですよ、そしてこんなに頑張ったのに全て台無しだと嘆いている夢でしたね

朝起きて、あー夢だったのか良かった、俺吸ってないんだとほっとしました。

ニコチンが切れた状態なので吸いたくて吸いたくて、どうしようもない感情の中、数日後に逓信病院でCTを撮り、結果が出るまで緊張しましたよ、何でもない事が判明した時は本当にほっとしました。助かったと安堵しました。

せっかく何でもなかったんで、この禁煙を何としても継続するぞと自分に言い聞かせてましたけど、本当に禁煙出来るかはわかりませんでした。

逓信病院の帰りに喫茶店に入ろうとしたんですが、まてよタバコが吸えないんだから何のために喫茶店に入る必要があるんだ。そうですヘビースモーカーはコーヒーが飲みたくて喫茶店に入るのではなくタバコが吸いたいから店に入るんです

全てのリズムが狂ってしまい、俺は何のために生きてるんだと思うくらいタバコを渇望しましたね。そこをどうして乗り切るかって、「気合だ!気合だ!気合だ!」それのみです。

酒の席での禁煙は特に厳しかったです。酒を飲むときは二時間くらいで一箱吸っていましたから。酒が入ると、吸いたい感覚は10倍くらいに跳ね上がります。そんな時も対処方法は気合のみです。

手帳にも1日、2日と記入しながら欲望との葛藤の連続でした。

当時の保健所長(名前を忘れました一年で異動した優しい女性の方でした)が一か月禁煙できた時、「えらいです、良く頑張りましたねと」本会議場で飴を3袋くらい、ご褒美にくれたのを覚えています。

とにかく今日も吸わずに一日を終えたという連続の中で、少しずつ吸いたいという感情が弱くなっていくんですが、時に強烈に吸いたくなったりもします。

あれから10年が以上が過ぎたから禁煙はとりあえず成功したんでしょう。でも今でも吸いたいですよ。

禁煙を初めてからの数か月は本当に吸いたくて吸いたくて、こんな思いをするならタバコなんて最初から吸わなければ良かったと思いました。

きっと他の薬物はこれよりはるかに強い依存症になるんでしょうね。

どうせ依存症になるなら、ランニングとかジムでのトレーニングとか山歩きと健康的依存症になりたかったなあ。

ちなみにタバコをやめる時にリカルデントのガムを噛み始め、最初の一年はは毎日ガムをボトル一本噛んでました。そうですガム中毒になりました。

ガムの量がまともになるまで数年かかりました。中毒を止めるために別の中毒になる。

まあ、そんな段階を踏まないと私はタバコはやめられなかったんでしょう。

タバコって何だったんでしょうね、高校生の頃はカッコつけてるだけで少し不良のシンボル的なもので、それが時の経過とともに社会の中での嫌われ者になっていく。

でもその世界、一度足を踏み入れたら二度と抜け出せない世界だったんです。

私は何とか抜け出すことが出来ました。

でもカサブランカ(映画)でのハンフリーボガードのタバコを吸っている姿は恰好良かったなあ。飯食った後の一服は本当にうまかった。

いかんいかん、こんな事を考えてたらまた吸ってしまいそうです。

タバコをやめて10年たってもまだ吸いたい気持ちは残っています、私にとってタバコは未練を残して別れた女性のようなものですかね。