各位
今日は雪が降っています。天気予報では明日の朝にかけて結構積もりそうな感じです明日の朝、道がアイスバーンになっていないと良いのですが。
なので明日の朝が怖いなあと思っています。子供の頃は雪が降ると、ただ嬉しくて積もれば良いのにと思っていましたが、大人になると雪が降るのはOKですがその後、朝には全部溶けてくれと思っています。
さて、今回も小学生の高学年の時に流行ったものです。
日本酒の一升瓶の蓋集めです。飲み終えた日本盛や桜政宗、黄桜などの一升瓶の蓋のコルク部分を取ってメンコのような遊びをするんです。
この頃から栓の部分がコルクではなくプラスチックのものが一部出回りはじめていました。
この遊びは少なくとも東京中で流行っていました、日本全国で流行っていたかはわかりません。遊びか方のルールは割愛させてもらいますが、酒蓋が簡単にひっくり返らないようにトンカチでたたひて平たくさせている奴もいました。
負ければ、その時勝負に出していた自分の酒蓋は相手に取られてしまいます。
自分の酒蓋が無くなってしまうと遊べなくなってしまうので、みんな酒蓋集めに奔走します。自分の家にある一升瓶の日本酒はそう簡単に無くならないので家の中だけでの酒蓋集めでは全然足りません。そこで目をつけたのが酒屋です。
酒屋の横には空き瓶がたくさんケースに入っていて、蓋のついたままの空き瓶も結構ありました。空き瓶の蓋などは、いずれ捨てられるものでしたから何の迷いもなく空き瓶から蓋だけを取っていました。
はじめの頃はこの方法で結構、蓋を集めることが出来ました。
しかし、考えることは皆一緒です、全ての酒屋に小学生が毎日来るので酒屋でも、蓋のついている空き瓶はほとんど見なくなりました。
そうして僕らは毎日、日本酒の蓋を求めて街じゅうを探していました。
当初はメンコのような遊びをするのが主目的できでしたが次第に蓋を集めることの方が主目的になっていたような気がします。
普段は子供の遊びなどに興味を示さない父がある日、酒蓋を数百枚持ってきてくれたんです。日本酒の銘柄は覚えていませんが蓋は赤がベースで文字などは金色になっている蓋を中心に今まであまりみたことのない蓋ばかりでした。やったー、友達ももっていない酒蓋を大量にゲットできました。ものすごい満足感がありました。酒蓋のブームは我々の前にはなかったから友達の中でもトップクラスの酒蓋持ちになりました。
多分、レアな酒蓋と言うより高級な日本酒の蓋だったんだと思います。
父親が何でそこまでレアな酒蓋を持ってこれたかと言うと父親が努めていた会社の社長が料亭も経営していたので、そこで消費される日本酒の蓋を全部もらってきたんです。
社長が経営していた料亭は一見さんお断りの高級料亭だったので小学生などは全く近づくことができなかったのです。小学生は街中の酒屋や居酒屋くらいまでは気が付きますが、高級料亭が立ち並ぶような場所には、ほとんど来ることはないでしょう。
でも、なんで父がそんなことを社長に頼めたのかって。それは私にも謎です。
今は亡き父親ですがサンキュウー親父と今頃ですが言っておきます。
さて、その後、東京中か日本中かわかりませんが小学生の高学年で起こった酒蓋集めですが、ますます過熱していきます。
私はレアな酒蓋を数百枚手に入れたので、血眼になって街じゅうで酒蓋を探すことはやめました。
その頃、テレビや新聞である事件がたびたび報じられるようになりました。
そうなんです、小学生たちが酒屋の横にケースに入れて封を切っていない新品の日本酒の一升瓶から酒蓋を全部取ってしまう事件がたびたび起きて社会問題になっていたんです。
酒屋さんや飲み屋も中身の入っている日本酒の蓋を取られたらたまもんじゃありません。
みんな蓋を取られないように、店の人の目の届かないところには置かないなどの対策を強化しました。
それでも、当時事件は続いていました。それだけみんな熱狂していたんでしょう。
ここまで加熱するとブームは最高潮に達したということです。
あれほど熱狂して集めていた酒蓋ですが、いつの間にかブームが去ったのです。
一体、この酒蓋を集めるブームを作った元は誰だったんでしょう。
自然発生的に起こったとも考えにくいので、やはりブームの火付け役とかいたんですかね。
そんな、くだらないブームよく起こったと思いますか?
最初はメンコのようにゲームで使用し、その後は集めることが主眼に変わっていく。
何か思い当たりませんか。そうですポケモンカードです。まさにゲームをするためのカードですが、今では超レアなカードは一枚数百万円で取引されています。
ポケモンの場合は全世界的なブームであったことと、会社がブームを持続させる努力をしており、過去のポケモンカードを再発行などしていないので人気が持続しているんでしょう。酒蓋はゲームのために作られたわけではないので、日本酒が売られていれば、いくらでも酒蓋は製造されるので、超レアな酒蓋はなかなかなかったかもしれません。ただ地酒などで少量生産の日本酒があれば超レアな酒蓋もあったかもしれません。
ブームが去った後も集めた酒蓋は捨てられずに高校生くらいまでは持っていたような気がします。いつ頃、捨てなのか全く記憶にありません。
あの頃の僕たちにとって酒蓋は宝石より輝いていたんです。
自分の中で価値があると思えば、それだけで良かったんですよね。
大人になった今は金額的に価値があると思われるものをみんな欲しがるようになる。
もし、金(ゴールド)が鉄のように安くて大量に作ることが出来るようになったら、みんな金への憧れなんてなくなり金(ゴールド)を集めようとする人はいなくなるんだろう。
ポケモンのレアカードは最たるものでレアカードという理由だけで値がはり集めている人たちは欲しがる。
ブランド品などを欲しがる心理も同じだよね。我々が欲しいものは常に他人との比較の中でしか生まれないものなのだろうか。本当に欲しいものとは何なのかわからなくなってきました。