各位
三回目の投稿です。次回からは週1回ペースの投稿に戻します。ただし、過去の投稿については、その間にちょこちょこ載せるかもしれません。ただ、そのまま載せるとフィクションとは言っても実在する人の名前がバシバシ出てきてしまうので、修正してから載せる事にします。過去の投稿も順番はランダムに載せるか検討中です。番号は例えばこのブログで、110回目の投稿で過去の35番を載せるときはムットン調査団110(35 株の話 )みたくして今回の105からは、過去のものを載せるときも、通し番号にして次に過去の番号をつけようと考えています。
では、本題にはいります。
私が二十代の中頃、高田馬場にシチズンテニススクールに通っていた時の話です。
当時、職場の仲間何人かでテニススクールに入会しました。週に一回、仕事が終わってから通っていました。
残業や飲み会などが入ると、テニススクールに行けない日が出てきます。そんな時は前もって連絡しておくと何回かの振り替えが認められていました。
私も用事が出来たので振り替えをしました。この時の用事は仕事だったような気がします。
振り替えをしてスクールに行った日は、いつもの職場の仲間達はいないので、一人で行くことになります。
テニススクールですから、一人で行っても、やることは同じです。ただ曜日が違うので話す相手がいないだけです。
時間ギリギリで更衣室に飛び込むと、男性が一名着替えをしていました。
年の頃は同じか、やや上くらいの青年です。
すると、その男性が私に話しかけてきました「今日は振り替えですか?」にこにこと笑顔で話しやすい感じの人でした。
私は自分から更衣室で見ず知らずの人に話しかけたりすることは、ありませんので、この人は社交的なんでしょう。
私は「はい、〇曜日が来れないので、今日に振り替えました。」
相手はさらに「〇曜日は、出張か何かですか?」とさらに突っ込んできました。
ん?振り替えをすると何で出張だと思うのかねえと思ったんです。
だんだんと面倒くさい話になってきました。ここで普通に自分の用事を言えば、さらにどんな仕事ですか?どこにお勤めですか?と聞かれそうな感じがしたので、そうすると公務員ですと言う話になってきますよね。最後は役所の名前まで聞かれるような気がしました。
悪い人じゃないのは、わかるんだけど初めて会った人にあまり自分の個人情報は言いたくないですよね。
だからと言って、人のよさそうなその人に「そんな事どうでもいいでしょう」と言うのも悪い気がしたんです。
私は思ったんです、どうせこの人とは多分二度と会う事はないだろう。だったら自分の個人情報も出さず適当に言っておこうと。相手が出張ですかと言っているんだから、出張でいいやと思いました。
私は「〇曜日は出張で東京にはいないので、今日に振り替えました」
男性は「そうですか民間は大変ですね、毎日忙しいんですか?」とさらに突っ込んできます。
私は出張に行くと言っただけで、民間企業に勤めてるとは言っていない、でも出張に行くと言ったらそう思うほうが自然ですかね。それと民間は大変ですねと言うことは、この男性は公務員と言うことになる。同業者か、今更私も公務員ですと言いにくいので、そのまま民間人でいくしかありません。
こうなれば、こちらも適当に全部答えていくしかありません。
私は「えー毎日忙しいですよ」そこから先の話はどのくらい民間人になりきって話をしたかは詳しくは覚えていません。
ただ着替えているだけの、わずかな時間。もう会う事のない、このお話好きそうな青年に合わせてしばらく話をする。それだけの事です。
着替えが終わって、テニススクールが始まると、その男性とはコートも違っていたので、すぐに忘れました。
後はテニスに専念してスクールが終われば家に帰るだけです。
誰も知り合いがいないはずの曜日なのに隣のコートで役所で見たことのある男性を一人発見しました。歳は私よりかなり上の人です。その人とは話をしたことは一度もないので、まあそこは無視で大丈夫でしょう。
なんだ、あの人もシチズンテニススクールに通っているんだと思ったくらいです。
もう、みなさん話は見えていますよね。
スクールが終わり、全員一斉に着替えるので更衣室はかなり混雑します。
すると先程の話好きの男性が、私が顔を知っているうちの役所の人と話をしているじゃありませんか。聞き耳をたてると、なんとその男性もわが社の人間と判明
えっ!嘘だろ、あの更衣室で話をした男性はわが社の人だったとは、これはヤバい。
民間人で通していたのに、今更私も同じ場所で働いていますとも言えない、しかし面は割れているから、黙っていても役所の中で出くわす可能性も大である。
すると年配のほうの役所の男性が私を見て手をふるじゃありませんか、万事休す。
どうする、どうする、ここは決断です。私から言って話をするしかないでしょう。
私は「先ほどは出張と言いましたが、違います、すみませんでした。私も同じ所で働いているものです」まあ、そんな事を言ったと思います。
これは、結構恥ずかしいし、ばつが悪いものです。何しろ民間人になりすまして適当なことを結構話してましたから。
確か、相手の男性は笑っていたと思います、そしてこの後一緒に飲みに行こうと誘われました。
ここで断ると、私は嘘つきの印象だけを残しそうだったので、一緒に飲みにいきました。
まあ、笑い話で終りましたが、一時は冷や汗もんでした。
二度と会わない人だからと、適当に話をしているとこんな事も起こりますので皆さんも注意してください。
この男性は、この出来事を覚えているかなあ?私は、ばつの悪い話なので以後この話をその男性と話した事はありません。
その男性とは、二年前に〇〇所長で辞めたSさんです。
もうSさんとは、永遠に会わない可能性もあったのですが、Sさん最近某団体の事務局長になったので、仕事上でまた、会う機会が復活しました。人の縁とは不思議なものですね。
最後に貴方がもし私だったら、最初に聞かれた更衣室で正直に全部話をしますか?