今週末は、もうクリスマスですね、今回はこんなクリスマスの過ごし方もありましたという、過去の文章です。
各位
毎年クリスマスの時期になると街はネオンで色づき何となくワクワクした気分になりますよね。ここ2年はコロナで例年とは違ったクリスマスになっていますが。
子どもの頃は家でクリスマス、彼女が出来れば外でクリスマス、そして結婚して子どもが出来るとまた家でクリスマス。
子ども達が小さい時はサンタクロースはいるんだと信じこませてたなあ。
でも、大人になると♪恋人がサンタクロース(ユーミンです)
さて、私の若い頃はどうだったのかと言うと大学生になるとバイトである程度の金がはいるようになる。クリスマスが近づいてきたらまず彼女のプレゼントを考えなくてはならない、ここは奮発してブランドものを買う、その時の流行でティファニーであったりグッチであったり。ヴィトンやカルティエなどは若い頃は手がでない。
それと並行してレストランの予約、これも早く予約しないと手頃で人気な店はすぐ予約がいっぱいになってしまう、もちろんフランス料理のフルコース。そして最後にホテルの予約。
クリスマス気分を最後まで楽しんでもらうためにはそれなりのホテルの予約となる。
クリスマスの三点セットこれは実に金がかかる、バイト代がぶっ飛びます。
まあ、まわりカップルがみんな同じようにやっているので、自分だけ彼女にみじめなクリスマスイブの夜を迎えさえる訳にはいかないので仕方ないですね。
思い起こすと、懐かしいです。あの頃は若かったので、全てがキラキラと輝いていたような気がします。実際には年中、傷ついていたけど思い出に変わると記憶は少し優しい魔法がかかったような感じになります。まだガキだったのに背伸びをし大人のふりをして地に足のついてない感覚だったような。
彼女も家族には友達の家で泊りのクリスマスパーティーと親に嘘をついて出てくる。きっと彼女の親だってわかっていたんだろうな。
都心の一流ホテルXもイブに泊まった事があります。
このホテルはクリスマスイブで付き合っていた彼女と泊まった記憶のほかに仮称(なおみ)と夏にプールに行った印象が強いんです。
なおみは大学で同じ学部で違うクラスにいたんですが、知り合いに紹介されて知った、まあ単なる友達です。
でもこのなおみ、見た目がハーフと思えるような顔をしているので、すごく目立ちます。
両親とも日本人なのですがフランス人形みたいな顔立ちでした。また服装がすごかったんです、超超ミニスカートに太ももまである実にカラフルなハイソックスだったり、またある時はワインレッドのピーターパンみたいな服など毎回、私の感覚ではついていけない感じでしたね。
女友達としての付き合いしかしてませんでしたが、表参道や原宿あたりによく付き合わされたんですが、まさにそんな街にぴったりの女性でした。
このなおみにある時、頼み事をされました。
宝塚の大もの「鳳蘭(通称ツレチャン)の引退公演のチケットをどうしても取りたいのだが、用事があってならべない、代わりに並んでチケットを取って欲しい。」
しかも並ぶ時間が半端なく長いのだが、他に頼む人がいないと懇願されたので、しかたなくOKしました。日比谷にある宝塚劇場でチケットを取るための長蛇の列の中で何とも居心地の悪い長時間でした。前後に並んでいる人の99%は女性で、みんな鳳蘭の熱烈なファンですから。話が鳳蘭や宝塚全般で盛り上がってる中、宝塚なんて見たこともない男子大学生がポツンといるわけですから。「あー、こんなの引き受けなきゃ良かったと思いました」
約束通りチケット二枚をなおみに渡したら「ありがとう、一枚は貴方の分だから」
えー俺の分、俺は自分で見る宝塚のチケットを取るために並んでいたんかい。びっくりです。
宝塚なんて全然興味なかったし、でもせっかくの申し出だったので受けることにしました。
最終公演のタイトルは「白夜我が愛」です。衝撃的でした。いやー宝塚を馬鹿にしてましたが感動ものです。その時みたセリフと歌が今も頭にこびりついています「そうだ、我々のペテルスブルグへ行こう」「♪白夜の街にオルフェの歌が聞こえるー♪」
宝塚素晴らしいですよ。
宝塚はその後1回だけ見に行きました、〇〇課にいた時に宝塚が好きだったAさんがチケットを取ってくれて二人で見に行きました。タイトルは藤がつく日本ものでした、良かったですよ、でも最初のような衝撃はなかったですけど。
そんななおみが夏にホテルのプールに行こうというので、行ったのがXホテルのプールです。プールで借りた椅子と傘高かったなあ。
現れた、なおみは黒のハイレグで横腹あたりは空いているSEXYな水着でした。ハーフの顔と高い身長で大胆な水着、外人の男性もみんな、なおみに振り返ります。
横にいるのは俺でいいのかって思いますよ。もちろんなおみは私に彼女がいるのは知ってますよ。
そんな、なおみとの思いでの中で忘れれないのがクリスマスです。イブを付き合っている彼女とすごし、25日は特に予定がなかったので、なおみが25日の夜に行きたい場所があるから付き合ってくれと言われたんです。
どこかと思ったら、駿河台のニコライ堂です。クリスマスの夜に敬虔な信者たちがニコライ堂に集まっており、外からニコライ堂を拝んで終わりかなと思ったら、神父がでてきて敬虔な信者の皆さんが集まっていただいたので今日は特別に今から中に入ってもらいます。
ニコライ堂の中に初めてはいりました。真ん中とドーム状の空間の隅々にろうそくがともった、キリストの像などがあり、信者が一列になって一つ一つの像の前で十字を切りお祈りを始めました。厳粛な雰囲気の中、緊張しました。
葬式でお焼香を始めて行う時、前の人のやる動作を見ながら、あせって覚えるのと同じです、手を上から下。その後左から右 間違わないように何度も見て、なおみの後に続いて十字を切り、全部で5~6か所で同じ事を行いました。その後神父の話があり、厳粛な空気の中でこれが本当のクリスマスなのかと感動したのを覚えています。
なおみは首にいつもロザリオをかけていたけどクリスチャンだったのか、カソリックだったのか、プロテスタントだったのか、それともクリスチャンではなかったのかもしれない。まあ特に聞かなかったので、わからないままです。
なおみとは大学を卒業してから一度もあっていません。
今、どうしているんだろう。
クリスマスになると、たまに厳粛なニコライ堂での出来事を思い出します。
死ぬまでに、もし、なおみに出会えたら聞いてみよう「君はクリスチャンだったの?」
でも、きっと出会うことはないと思うから、クリスマスの夜にニコライ堂の前を通ることがあったら、心の中で一言つぶやきます「メリークリスマスなおみ、君はいかした女だったよ、アーメン」