ムットン調査団222、キャッチセールス

各位

皆さんも今までの人生で一度はキャチセールにつかまった経験はあるでしょう。

地方に住んでいた人なら上京してきた後で駅などで声をかけられて足を止めたことがあると思います。東京で生まれ育った私も、もちろん経験しました。

声をかけられるだけなら、今でもありますが立ち止まることは、もうありません。

私が初めてキャチセールに声をかえられたのは中学2年の時です。それまでは経験したことがなかったので、無防備でした。場所は秋葉原の駅前で日曜日の午後でした。

改札を出て歩いていると「すみません、アンケートに協力してもらえませんか」と言われました。

中学2年で世間をまだよく知らない私はすぐにOKをだしました。まあ、アンケートなら答えてもいいかなという軽い気持ちでした。これじゃあ「かも」にされますわな。

声をかけてきた人若い男性で感じの良い人でした。確か学生証を見せてくれて早慶クラスの有名大学の学生だったと思います。

質問は今日は何で秋葉原にいるのとか、お小遣いは月いくらもらっていますか、ちなみに今日はいくらもっていますか・・・この質問の時に私は5千円と答えているんです。

「旅行は好きですか」と聞かれたので「もちろん好きです」と答えています。・・旅行を嫌いな人って少ないよね。

この後、趣味の話になり「映画は好きですか」と聞かれたので、「大好きです」と答えています。ちなみに、中学二年の私は親友と自転車で遠出もしょっちゅうしていたが、映画もよく見ていたんです、銀座、有楽町ではその時に流行ってっている映画ゴットファザーなどをなけなしの小遣いから高いお金を出して観ていたし、渋谷全線座などでは朝一番に行くと安い料金で観られたし。

また、昔のヒット映画も結構上映されていて、風と共に去りぬ、ベンハー、十戒エデンの東、理由なき反抗、アラビアのロレンスサウンドオブミュージック、日本映画の生きる、等々この頃、むさぼるように映画を観ており私は映画少年でもあったのです。

まあ、そんな映画少年の私に、キャッチの若い青年は自分は大学生だと言って、自分も映画が大好きだと言って映画の話になり、結構話が盛り上がってきました。

すると彼が「君がそんなに映画が好きならこのチケットの綴りをあげるよと言って、私に分厚い束になったチケットを渡したんです。

お兄さんは「これは100枚束になっていて映画を見る時に一枚ごとに切り離すと〇%の割引になるんだ、あと旅行の時にも割引になるんだよ。」

この時は正直、嬉しかったですね、アンケートに答えたら結構いいものをくれるんだから、ラッキーって思いました。確かに「君にあげる」と言って私に握らしたんです。

この時点で私はチケットに束をもらってしまった状態になっています。

このあとでした、「このチケットの価値は何万円にもなっているけどアンケートに協力してくれたので君にあげるんだ、ただね三千円だけはもらうことになっているんだ、だけどすぐに元は取れるよ。映画も一回行けば○○円安くなるし、旅行にも使えるし等々、延々と話が始まりました。要は何万もするチケットなんだけど、ただ同然の価格で君にやるよ、その際に決まりでどうしても手数料がかかるみたいなことを明るく爽やかに言っていましたね」

私は中学2年でも、三千円だすという話はおかしい、これやばいなとすぐわかりました。

相手は話術にたけており、私の手の中にはすでにチケットが握らされている。そして最悪なことに現在持っているお金は、アンケートで相手に知られているために、「今、お金がないんです」という切り札が使えない状況です。

先にアンケートと称して、今いくら持っているか聞きだすんだから悪い奴だよね、しかも中学生相手に。

どうする俺、考えろ考えろ。このままじゃ買わされるはめになるぞ。

ひらめきました。「すみません、これから石丸電機でどうしても今買わないと売り切れてしまうLPレコード三枚買わないならないので、その後で家に戻りお金を取ってきます」このあとの私のくさいセリフは今もおぼえています「まだ、ここにいますよね。今急いでレコードを買って、また戻ってきますから必ずここにいてくださいね、必ずですよ、30分くらいで戻って来れると思います」と言って、相手にチケットを渡して、「すぐに戻ってきます」言って、ダッシュでその場を離れました。

かなり走り、相手からも完全に見えない場所でやっと一息つけました。

「あぶねえ、あぶねえ、もう少しで訳のわからないものを三千円で買わされそうになったぜ」この経験があったので、その後、今日に至るまでキャッチセールは無視しています。

よく駅前でキャッチにつかまってる人見ると、可哀そうにと思いますが、どうにもならないですよね、うまく逃げられればよいと思うだけです。気が弱いと強く拒否できないですからねえ、まあ、この手の商法は本当なくならないですね。

それにしても、昔とはいえ中学生相手にキャッチセールしちゃ駄目ですよね、もしかしたらノルマがあって、大人はなかなか、引っかからないからターゲットを中学生まで下げてきたのかなあ。

キャッチセールも売りつけるものは千差万別あるし、近づくやり方も、アンケート調査とか手相みさせてくださいとか、外国人がいきなりスマホ見せて何て書いてありますか?とか、いろんな方法で近づいてきます。

まあ無視が一番です。

キャッチセール以外にも、いろんな人が近づいてきますよね。

大学生の時は大学構内で待ち合わせなどをするために、ベンチに座っていると突然横に座ってきた学生が「あなたは今、真剣に人生を生きていますか?生きがいを持っていますか?友達関係や学校の事で悩み事は何もないですか」といって近づいてくるんですよ。これも無視です、ここで話始めると一定の割合でその団体に取り込まれ、何か月後には、その人が勧誘してるわけです。その団体は仏教系でしたが、今テレビ有名なキリスト系のあの団体も、よく勧誘活動をしていました。あの団体はかなりの大学にあったと思います。

うまく、すり抜けてこないと大変です。何だか生き残りゲームみたいで嫌ですが大方の人は自分の中の警報装置が作動して、難を逃れるんですが仕掛けるほうも年々巧妙になってくるわけです。常に人を疑うようにしないと今の世の中は渡っていけないと言うことなんですかね。せちがらい世の中です。