ムットン調査団210、yayaあの時代を忘れない

各位

前に神津島の話を書いたら管理職のXさんから、「あの時代はワイルドでした、夏は海辺で、冬はSKI場で都会ではディスコでナンパなんてありましたね」と返信いただきました。

まさに、その通りです。もしかしたらXさんは若いころ結構遊んでいたりして。

いえいえ違います。私たちの時代はそれが普通だったんです。

私も18歳から20代前半はよくディスコに行きました。ジョントラボルタの映画サタデーナイトフィーバーと同じです。この映画は当時付き合っていた彼女と観たのでよく覚えています。この時代はディスコ全盛期でした。

スキーに行ってもディスコがあったし、文化祭でディスコをやってる高校も大学も結構ありました。

私がどこで踊ってたかって、そりゃ当然六本木でしょう。当時の六本木はそこらじゅうにディスコがあったから。

六本木スクエアビルなどは一階から7階くらいまで各フロアー全部違うディスコが入っていて一番多く行った場所です。あとロアビルの上の階にあるディスコにもよく行きました。その他の店も行ったけど、どこに入ったか、よく覚えてないです。

当然土曜の夜にいく事が多く、彼女を連れて二人でいく場合、男女10人くらいで行く場合、男だけで行く場合とバリエーションは様々です。

服装もバギーパンツ(今のバギーパンツではなくお洒落なコンテンポラリー系)靴も先のとがったコンビネーションの靴、かかとが4センチくらいあったのかな。

当時のディスコスタイルでバッチリ決めて六本木に繰り出してサタデーナイトフィーバーです。

踊りも、ハローミスターモンキーや1,2,3.4ギミサムモア、宇宙のファンタジーなどは手の動きや足のステップが決まっている曲も結構ありました、今でも手の動き足のステップなど体が覚えています。

大音量の中でひたすら踊りまくる、一種の陶酔感があります。この陶酔感なんですが私は神田の生まれなのでずっと神輿をかついでいました。この神輿をかついでいる時の陶酔感に少しだけ似たものがあると思っています。

ディスコと神輿、全然違うようで熱狂と陶酔感、経験するとわかりますが似ています。

ディスコに話を戻します。ダンスフロアは30~40分おきに突然チークタイムに変わります。

彼女や女友達などと一緒に来ている時はそのまま二人でチークダンスをするわけです。

男だけで来ている時は、このチークタイムに入る寸前がナンパするタイミングになります。

普通のディスコミュージックで踊っている時にどの女性がいいかを見ながら踊ってることになります。そして曲が一転してスローで静かな音に変わった時にカップル以外の大半の人は踊りをやめて自分の席にもどり水割りを飲んだりして休憩にはいります。

この踊りを止めた瞬間に目を付けていた女性にチークダンスを申し込むのです。場合によっては複数の男性と競合する時もあります。

チークタイムになる前に踊っていた女性が男連れのカップルで来ている場合もあり、その場合は当然からぶりになります。

わずかな時間でそこら中で一斉ナンパが始まります。

このチークタイムは定期的に来ますから、失敗すれば次のチークタイムで再トライとなります。OKがでればチークタイムの時間10分くらい女性と抱き合ったままチークダンスを踊ります。

自分の彼女を連れてディスコに踊りに来る時は他の男にチークの時にさらわれないように気を付けます。なかには、かなり強引な男もいますし、みんな酒もはいってますから。

男だけで踊りに来てチークタイムに声をかけた女性と踊れても、大半はその場限りで店を出るまでの付き合いです、もちろんそこで意気投合してディスコが終わった後、二人だけでどこかに行ってしまう人はそれなりにいます。

私のグループの男性の中にも相手の女性と終電すぎまで踊って最後は二人で、どこかにしけこむなんて話はよくありましたねえ。

私ですか?品行方正な私です、ご想像におまかせします。

また、六本木はディスコにくるだけの街じゃなかったですね。

当時、六本木の洒落た店にウィスキーのボトルをキープしていました。その店に何でボトルなんかキープしてたかって。多分、背伸びをして恰好つけてたんでしょうね、六本木に行きつけの店があり、ボトルもキープしていれば常連気取りになれますからね。

今では居酒屋しかはいりません、というより居酒屋しか知りません。

当時は腹が減ったときは六本木交差点近くの地下にあるステーキ屋とか、洒落たイタリアンの店で食べたりとか。六本木は、いろいろな思い出のある街です。

そんな、私が六本木で思い出すのは当時、付き合っていた彼女の踊る姿です。躍動感とリズムの中で輝いていた。だけど、その顔は少し悲しげな表情で。スタイルが良くて綺麗だったのでチークタイムになると知らない男連中がナンパしてくるのを、払い除け、私と彼女のチークタイムです。

直前まで踊っていた彼女の体は熱く火照っており、息も荒く。心臓の鼓動が聞こえてきそうでした。疲れた体を私にあずけた彼女はいつになく色っぽく綺麗だった。

この人とは離れたくない、ずっとずっと一緒にいたかった。

私はずっと彼女の心を追い求めていた気がする。

でも追い求めるものは、いつも自分の指の間からこぼれ落ちてしまう砂のように、捕まえたと思っても、すぐに私の手からこぼれ落ちていく。私にとっては最も素敵で最も辛かった恋、もう二度と恋なんかしないと思った恋

遠い過去の記憶が鮮やかによみがえってきました。それは同時に苦い記憶も思い出すという事です。

その話は、もし書くとしてもずっと後になると思います、その前に他の女性の話を書くと思います、全て二十代半ばくらいまでの話に止めておきます、それでも結構あるので、その話を書き終えたら、この彼女について、書くか、どうするか、もう一度考えます。