この話は一年くらい前に朝の通勤で最寄り駅に着く直前におきた話です。
各位
今朝地元で起きた些細な事なので短いですよ。
今朝、私が最寄り駅近くで数メートル前を歩いていた小学生が手に持っていたパーカーを着たんです。その時にパーカーの中から鍵が落ちました。
私は「おーい鍵落ちたよ」と大声を出したんですが、男の子は両耳にイヤホンしてて全く聞こえない様子でした。
三回くらい大声を出したんですが駄目でした。
私は小走りで鍵を拾うと、鍵の形、大きさから家の鍵でした。それに大きなマスコット人形のようなものがついてました。
この鍵はないと学校の帰りに家に入れないんじゃないかと思いました。
前をみると、なんと、その小学生が走り始めたんですよ、これはマズイと私も走ったんですが30メートルくらい走っても追いつかず、むしろ離されていました。
私のほうは日頃の不摂生のため、すでに息があがってしまい、それ以上はとても走れる状態ではありませんでした。
これは追い付くのは無理だと思った時、私の目の前にセーラー服の女子高校生がいました。
これはもう彼女に託すしかないと思いました。
私は彼女の、肩をたたき「この鍵は前を走ってる男の子が落としたんだけど渡せるかな」と言いました。
いきなり知らないおじさんに肩をたたかれて彼女もびっくりしたでしょう。
私の話を聞いた、彼女は無言で鍵を受取、すぐに走り始めました。
すげー、さすがは現役高校生、私の何倍もの速さで走っていきました。
すると小学生の男の子は駅と違う方向に向かって走って行くんです。現役女子高生も最初は普通に走ったけど、なかなか追いつかないので、彼女も途中から全力で走りだしたのがわかりました。かなり遠くでやっと男の子をつかまえて鍵をて渡しているのが遠目に見えました。
彼女は大きめの重そうなリュックを背負っていたのでかなり疲れたと思いますが、また今行った道を走って戻ってきて、駅に消えていきました。
なんか、すがすがしい気分でした。俺も走った、彼女も走った、バトンではないけど鍵がしっかり男の子に届いた。
心のなかで「一日一善」と呟いていた俺はじい様だな。