ムットン調査団137(34、家庭教師)

みなさんは、自分のまわりで知っている子がいじめられているという話は聞いたことがありますか?まあ人が集まれば、大きい小さいの差はあれ必ずいじめが起こるみたいです。

学校における、いじめもなくなることはありません。文部科学省もいじめはあるという前提で対応しています。いじめとは集団生活をするものの宿命のようなものなのでしょうか。

今回は、昔いじめの相談を受けた時の話です。私も若かったので大胆な行動にでました。

各位

私が18歳の時に家庭教師をしてた時の教え子に仮称(山田君)という男の子がいました。

山田君は当時、中学1年生でした。まあ勉強の出来はイマイチだったが真面目な学生で私が出た中学校に通っていました。

そんな彼がある時、私に「クラスのある男子生徒に毎日、殴られたり、蹴られたりして、いじめられている」、かなり悩んでいて「学校にはもう行きたくない」と打ち明けてきたんです。

両親には知られたくないそうで、私にどうしたらいいか真剣に悩み、すがってきたのです。

うーん、これは困った。状況を詳しく聞くと、いじめているのは仮称(上杉君)一人で、つまり上杉の単独犯で集団ではいじめられていないことがわかった。これなら、何とかなるかもしれないと思いました。

まだ中学1年なので身長も普通、みた見は今風に言うとやや、ヤンチャ系らしい。

そこで私は決断しました。近々あるその中学の文化祭に私が行き、まず山田君と落ち合う、その後山田君が上杉君を連れてくる。そこで私が上杉にきつく注意をするという筋書きです。

文化祭当日、私はバリバリのツッパリに変身です。髪はリーゼントでヘアスプレーのハードで固め。服装もチンピラ系にしていざ出陣。

これ結構、私も緊張しますよ。学校に行った後、上杉が仲間を連れて集団できたらどうするのか?先生に見つかり大事にならないか?

この結果、余計いじめられたら元も子もなくなる。上杉君にはしっかりと恐怖感をうえつける必要がある。

ドキドキしながら、母校に入りました。みんな真面目な生徒がほとんどですから、ヤンキー姿の私の存在は目立ちます、とにかく事を早く終わらせる必要がありました。

確か二階の廊下の隅で指定した時間に待ち合わせなのに、山田君がいないのです、いくら待っても山田君が現れないので、近くを通った1年生の生徒を捕まえて、「1年C組の山田君を探して呼んできてくれ」と頼みました。戻ってきた生徒が何と「今日は山田君は欠席です」との事。

なな、なんですとヤンキースタイルで乗り込んだのに、このまま帰ったら次のチャンスはない、山田君はビビッて欠席したんだろうか。

しょうがない、ここまで来たらもう後にはひけない。今度はその生徒に「上杉君を探して連れてきてくれ」と頼みました。

なかなか、来ないのでもうダメかと思ったら、来ました上杉君、確かに気の強そうな顔をしていました。やや不良系の感じでしたが「よし、これならいけるだろう」と私は直感で思いました。

私は「てめえが上杉か、お前、俺の知り合いの同じクラスの山田をいじめてるんだって?」

彼はすぐに「いえ、いじめてませんと少しふてくされた感じ」 ここで、すかさず私は彼の胸ぐらをつかみ「うそ言ってんじゃねぞ、おら、山田はおまえに、いじめられてるって言ってんだよ、」ここで軽くほっぺをたたく。

とにかく肝心なのは、彼が二度と山田君をいじめないように強烈な印象をあたえること。

「おまえよ、今度山田を可愛がってくれたら、俺のダチよんでてめえ袋叩きにすっからよ、わかってんだろうな、おら」

「わかったかって聞いてんだよ、返事は」 ここでやっと上杉君が「はい」と返事をしたんで、だめ押しして帰ろうとあたりを見渡したら、なんと短時間で20人くらいの生徒が遠巻きに集まっているでは、ありませんか。「やばい、早くづらかんないと先生がくる」

最後に「今度やったら、まじ、ただじゃおかないからな、脅しじゃねぞ」と言って学校を出ました。

いやー、冷や汗です。

次の家庭教師の時、「どうだ、いじめはなくなったか?」と聞いたら。「文化祭以降、いじめはピタッとなくなった」との事、これで一安心しました。

その後、山田君は卒業するまで二度と上杉君にはいじめられる事はありませんでした。

まあ、王道は学校にイジメを連絡して、学校から注意をしてもらう事なんでしょうが、そのくらいじゃ当時は、学校も真剣に動いてくれないことも多くて、なかなかイジメはなくならないのが現状でした。

このやり方には批判もあるとは思いますが、当時の私がどうにかして、イジメをなくそうと思ってとった行動でした。まあ許されたし。

んじゃ