ムットン調査団188、嫌いな上司

各位

役所に入ってから今日までの間で嫌いな上司が何人かいました。

みなさんにも嫌いな上司っていましたよね。一人もいなかったらよほど恵まれていたか、鈍感だったのか、どちらかです。

私はものすごく嫌いな上司が3人いました。

そのうちの一人について今回は書いてみます。今から20年以上前の話です、その上司は私が課長時代のX部長です。

気が短くて、すぐにかっとなり怒鳴りちらす、好き嫌いが激しくて、そのうえ上ばかりを気にしている部長でした。すぐに感情的になるので、まともな話し合いもできません。

いくつかのエピソードを紹介します。

ある時、部長室に部の課長を集めて会議をしている時、「課長は休日等に出勤しても振替などで休むな。年休が余ってるんだから全て年休で取るように」

この時、一人の課長が「お言葉ですが部長、私は直前まで人事委員会に派遣されて戻ってきたので言わせてもらいますが、まずは振替をするのが先です、それがどうしても出来ない時は、いたしかたありませんが」課長が話を全部言い終わるまえにX部長は「何を言っているんだ俺は今振替などするなと言ったんだ、ごちゃごちゃ言うな、わかったか」とすごい大声で怒鳴ったんです。すごい剣幕におされてその課長も「わかりました」と了解せざるを得ない状況でした。

やれやれと思いましたが、まあいつもの事ですから慣れっこです。

職場に戻った私は出勤簿を整理している職員に私が休日出勤などをしても振替の手続きなどしないように言いました。この当時はまだ出退勤にシステムは導入されておらず、全て紙の書類で決裁をとり処理をしていました。担当職員は私に「課長が振替で休まずに出勤するのは構いませんが手続き上だけでも、振替をしてもらわないと処理できないので困る」と言われました。そこで、私は後日部長に「先日の振替休日の件ですが、私は振替休日はとらずに出勤します、ただ書類の手続き上だけ振替の決裁を回させてください。そうしないと担当の職員も困るんです、お願いします」と言ったら、部長は「お前はまだそんなことを言っているのか、俺は振替休日なんてとるなと言ったんだ、俺の言うことがきけないのか」と馬鹿でかい声で怒鳴り始めたんです、これは私の話など理解していないし、これ以上この人に話をしても無駄だと思い「わかりました部長、振替はおこないません失礼しました」と言って部長室を出ました。

聞く耳を持っていないので話し合いが出来ません、そのうえ感情的になって怒鳴るので最悪です。職場にもどり出勤簿担当の職員に「とにかく振替はしないように部長に言われたので休日の出勤の手続きも何もしないようにする」と言いました。

次のエピソードです。X部長の下で二年目を迎えることになりました。

私の娘が4月に小学校に入学する時でした。娘の小学校の入学式の日は仕事を休む予定にしていました。ちょうどその日に常任委員会が開催されることになったんです。

私は特に報告する事項もなかったので部長室に行き「部長、今度の常任委員会の日ですが娘の小学校の入学式の日と、かぶってしまいました、私は特に報告事項もないので委員会を欠席し、娘の入学式に出たいのですがよろしいでしょうか」と聞きました。

この時X部長は珍しく怒鳴らなかったのですが、私に坦々と話始めたんです。「大〇君、私は管理職になってから今日に至るまで子供の行事には一回も出たことがない。一回もだよ、わかるか。君も管理職になったんだからそくらいの覚悟は当然持っているよな」この後もX部長は管理職とはなどについて延々と話を続けたんです。

まあ、要は委員会の欠席は認めないということです。

話の途中で私は「わかりました、委員会に出席します」と言って部長室を出ました。娘には可哀想なことをしたと思っています。

この年、同じ部にいる私の同僚のT課長が夏に家族全員で海外旅行の計画をしており旅行会社に代金も全部振り込んで後は旅行に行くだけだったんですが、夏になって急遽常任委員会が開かれることになったんです。まさにT課長が海外旅行に行く日にかぶっていたんです。T課長も報告事項はなかったのでX部長にその日は家族と海外旅行に行く予定なので委員会は欠席したいと言ったのですが、却下されました。

T課長が、がっかりしていたのを覚えています、そのうえ旅行の日が近かったので多額のキャンセル料も払っていました。夏休みだし、委員会日程もあとから決まったんだから旅行に行かせてあげればいいのにと思いました。

次はどうでもよい、すごく、くだらないことなんですが当時は虚礼廃止がまだ徹底しておらず課長達は自分の上司の部長には年賀状を書いていました。年が明けて課長達が集まった時に雑談で何気にX部長からの年賀状の話になったんです。

えっ私はX部長から年賀状なんてもらってないんです。部下である大方の課長はもらっていたのですが私とS課長の二人がもらっていないことが判明しました。実にどうでもよい、くだらないことなんですが、私とSさんはX部長に好かれていないんだとはっきりと認識させられた気がしました。確かに他の課長達は昔からX部長と知り合いで仕事も一緒にしたりとかで昔からの仲間が多かったと思います、私は管理職になった後で初めて話すようになったのですが、何とも釈然としませんでした。

またX部長は部下には、すぐ怒鳴りましたが区長に対しては、いつも満面の笑みで気持ち悪いくらいペコペコしていました。区長がエレベータに乗る時など他に職員が沢山いてもX部長は自らすっ飛んでエレベータのボタンを押しにいっていました。

こういう人ってテレビのドラマなんかでは、よく見るけど実際にいるんですよ。

まあ、他にもムカつくことは、たくさんありました。

反面教師では、ないですがああいう上司にはなりたくないと思って部下には接してきたつもりです。

このX部長の下にいたのは2年間でしたが私の上司になった人の中でのワースト上司ベスト3の一人です。

もう一人はそのうち再掲でまた載せますが高齢者施設にいた時の係長です。

あとの一人はいつの日にか書ける時が来たら書きます

私にとって嫌な3人の上司は、他の人にとっては良い上司だったのかもしれません。

強烈なキャラの上司が好きな職員もいますからね。X部長のような人はお気に入りの部下には、やたらに優しいんですよ、声まで気持ち悪いネコナデ声で話すんですから。

私は思い出しただけでむなくそ悪くなります。可愛がられた職員にとっては素敵な上司だったかもしれません。まあ相性っていうのが、ありますから。