ムットン調査団254(39、議会答弁)

各位

全国の自治体は今、予算議会の真っただ中だと思います。我が区も同じです。

〇田君もすっかり大人になり、うまくはぐらかした立派な答弁をしていました。

自信に満ちた〇田君は「団長も俺の答弁を見習えばバッチリだぜ」と息巻いていました。

団長に対しては、まだまだ反抗期みたいです。

さて、今回は過去に書いた文章です。議会での私のユニークな答弁を紹介します。

私が課長の時の予算議会中での話です。

予算分科会が終わり、舞台は総括質疑の委員会へと移ります。

私が席に着くとY部長が来て、「分科会議事録を読んだけど、大〇さん、一体どうしてあんな発言したの?」と聞いてきました。他に数人からも同様の事を聞かれました。

さもありなん、管理職が委員会の議事録を読めば何でと聞いてくるのが普通だったと思います。

一体、何が起こったのか。では、分科会まで話を戻してみましょう。

分科会初日が終わり総括質疑送りとなった案件は2件。1件は私でもう1件は友人S課長の案件でした。

総括送りは出来ることなら避けたいと管理職なら、みんな思うでしょう。

総括送りとは各分科会で審議していた事項がその委員会だけでは十分に審議がつくせないような案件をより大きな場所で審議をし直すと言うことです。

したがって管理職としては分科会で事をうまく納めて総括審議にはさせないように努力します。

総括質疑になると全議員が出席し、理事者側も区長以下副区長、教育長および全管理職が出席します。各職場では庁内専用のテレビ中継がされますのでの多くの職員も見ることになります。そんな状況の中で厳しい質問にさらされるわけですから、出来ることなら総括質疑は避けたいと管理職だったら絶対に思うはずです。

そんな私の心理をうまく突かれてしまったんです。

分科会が終了する前に分科会長のA議員から、突然提案がありました。

ちなみに、この提案は議事録には載っていません。

「明日の分科会で、総括送りになった課題で再度発言を許可するので、その際に我々を笑わせたたら総括送りをやめてやる」という、何ともすごい提案でした。確かB議員も約束してくれました。・・その発言も当然議事録には載っていません。

とりあえず、わかりました。と答えましたが、前代未聞の提案です。

こんな事あるのかなと思いました。対象になっている課題は私とS課長の二件です。

私はS課長に「どうする」と聞いたのですが、S課長はこの提案には鼻から乗る気はありませんでした。・・まあ普通はそうですよね

と言うかS課長は多分、あんな提案は嘘に決まっている、考えるだけ無駄だと判断したんでしょう。まあ大人の判断ですね。

一方、私はあえて笑いをとる挑戦を選びました。しかし、これは考えると以外と難しいんですよ。

まず、何を話すと笑いが取れるのか、そして議会での発言なので、おかしな発言をしたら処分ものですよ。

そもそも委員会で笑いを取る発言など許されるのだろうか?課長が議会で変な発言して問題になったら洒落にならないし。

そして、その発言は議事録として記録に残ってしまうという事です。

これは難題です。家に帰ってからも「これは無理だし、リスクも高いからやめよう」と思ったのですが、ここで挑戦してしまうのが私なのです。

とりあえず発言する内容は前日の夜、家で考えて決めました。

ただ、翌日委員長が昨日の話はなかったものにして普通に委員会を進める可能性も大いにあったので、その際は当然、笑いを取る発言はありません。

さて、翌日どうなったかと言うと、なんと委員長は昨日の話を持ち出して笑いをとる発言は考えてきたのか聞いてきたので、私は考えてきましたと答えました。

このあたりのやり取りは非公開ですので議事録には載っていません。

S課長は考えていませんと言ったので総括送りが確定しました。

そして、私の正式な答弁が始まりました。

二日目の分科会で私の発言の冒頭部分を議事録通りに再現します。

「本日の澄み渡る青空のような、すかっとした答弁にはならないかもしれませんが、よろしくお願いいたします。」

何だ、こんなものかと思いますか?これが議会を冒涜せず、議事録に残っても大丈夫かもしれない、ギリギリの線だと思います。

普通の管理職の答弁の頭にこんな言葉は絶対に言いません。

この発言を議事録で読んだY部長はじめ何人かの管理職が私のところにすっ飛んで来ましたから。

さて、この発言で笑いは取れたでしょうか。

はい、この冒頭発言を私は言った瞬間、委員会室でみんなどっと笑ったんです。

やりました、私は確かに笑いを取ったのです。・・うーん、やるじゃないか俺と思ったのも束の間、でした。

笑いはとったのに、委員長は笑いながら、やっぱり総括送りにしますと言ったのです。

それはないよセニョール、せっかく一生懸命に考えて約束通り笑いを取ったのに。

ぬか喜びでした。正式に総括質疑送りにされました。

まあ完全に遊ばれたというところでしょうか。

これならば、何もせずに総括送りを選択したS課長のほうが良かったと言うことです。

まあ何事も経験と言う事で良しとしましょう。